0から
次の授業は古典か。
そういい俺は、机の中から教科書を取り出して準備をはじめる。
「まじ古典めんどくせーな!!な?くろ!」
そういい話しかけてきたのは、俺の唯一の友達と言っても過言ではない『道長ともはる』だ。
「あーうんあと声うるさい。」
俺は心底めんどくさげにそう呟いた。
「相変わらず冷てーなー!冷蔵庫かよ!!」
そういいともはるは朗らかに笑う。
こいつは俺がどんなに冷たいことをいっても、笑って俺の相手をしてくれる優しいやつだ。
ともはるとのつまらない会話は結構好きだ。
いつも通りに過ぎていく日常。
これを5日繰り返して2日休む。
休みの日は本でも読んでたまに散歩に出かける。
だが、俺はふと思う。
こんな人生になんの意味があるのだろう、と。
「痛ぇな。ここどこだ?」
誰に言うわけでもなく俺はそう呟く。
「こがね!やっとか!おい!!こがねが起きたぞ!」
そうともはるは周りにいるクラスメイトに語りかけた。
「あんまりにも起きないから心配した。大丈夫?」
そう言い、起きたばかりの俺の胸に飛び込んできたのは『白銀雪』である。
一応幼馴染みというやつだ。
そして俺の恋人でもある。
「おい!そこ!イチャイチャしてる場合じゃないぞ!」
ともはるのくせに生意気だ。
というかそもそも状況を説明して欲しい。
なんでこんな一面真っ白な広い部屋にみんないるんだ?
戸惑っている俺達に、女性特有の透き通った綺麗な声が聞こえる。
「やっと全員の覚醒が終わったか。ここからが一番面倒な作業だな」
クラスメイト全員が声の方向に目を向ける。
むろん俺もだ。
そしてそのふざけた口調の女は、俺達に、こう語りかけた。
「お前らは死んだ。というよりも、私が殺した。の方が正しいか。」
....おい。詳しく。
俺は密かにそう思ったのだった。