黒き獣?いいえ、ヘドロ被ったワン公です。
ーーー3人称視点
天道が初めて村に向かった時、そこには巨大で白い竜が居た。
だが、それはもう随分前の話だ。
天道達は確かに辿り着いた。
白竜の居た場所、つまりは『強者が居た』場所へ。
そして、それと同時に全員が森の草木に紛れ、息を殺す。
「なんなんだ?・・・・ありゃぁよぉ?」
鉄鬼が洩らしたその一言が全員の心の中を代弁していた。
そこに居たモノは真っ当なモノでは無かったのだ。
全体的に見るなら『二足歩行可能な犬』という表現になるだろうか。
そんな可愛らしいモノではないが・・・
まず身体全体が大きい。
全長40mはあろうかという巨体だ。
そして、その巨体には『肉』が無かった。
いや、あるにはあるのだろう。
ヘドロや泡立つ黒魔術の鍋の中身のような紫や緑、ショッキングピンクなんて色が混ざり合った液体状の存在が『肉』と言えるのなら。
頭は犬の形をしているが、犬の耳があるはずの位置からは不定形の角が生えている。
珊瑚や落雷を纏めて逆さにしたような角で、両方とも形がバラバラであった。
前足は足でなく腕として存在し、左腕が何かを掴んでいるようだ。
要するに化け物でしかない。
しかも、その化け物は一心不乱に何かを食べているようだ。
何を?という疑問は直ぐに解決された。
左腕が掴んでいた物、それは熊であった。
自分達が此処に来るまでに散々倒しているが、それなりに強いはずの熊が握っただけで殺されているのだ。
握られてしまえば、まず農民ギルドの上位陣でも助かりはしないだろう。
そして握り殺した熊を、化け物は丸呑みにする。
さっきは咀嚼しているようだったが、丸呑みも出来るのか・・・。
そう考えた瞬間、その考えが間違っていた事を思い知らされた。
吐き出したのだ。
さっき丸呑みした熊を。
熊は高い位置から吐き出され、頭から地面に激突して水っぽい音と重い衝撃音を立てて地面に投げ出された。
そして死んでいたはずの熊の体が黒い靄に包まれ、収まった時には死体だった熊が蘇っていた。
そして何事もなかったように歩き出して森に消えていった。
それを見た農民ギルドと弟子パーティー一行はすぐに話し合う。
「ああやって量産してるってのかよ・・・。」
「見た限りじゃ無限に作りそうよねぇ。」
「あの黒いオーラとか靄みたいなのを出すモンスターってゾンビ扱いなのかな?」
「すぐに退散して他の攻略組や前線プレイヤーに協力を仰いだほうが良いと思います。」
弟子パーティー一行は敵の強化に対して。
そして・・・・
「あれ喰えるのか?」
「可食部分あんのか?あれ?」
「時折だが骨みたいな白い物が見えてんだし骨はあるんだろ?」
「あんなのから採った出汁のスープなぞ飲みたくねぇよ!?」
「まてまて皆の衆!まずは肥料に出来るかどうかだろうに?」
「それ『絶望の極致』を肥料にした時のアレみたいな事になりそうなんだが・・・。」
「止めろ!思い出させるな!」
「大惨事だったよね~・・・今も結構な惨事は起きるけど。」
どう見ても喰えそうもない物体を喰えるかどうか論議したり、話が脱線する農民一行であった。
作者「そういやDDONやってんだけど」
天道「やるのは良いが遊びすぎだ」
作者「キャラの総レベルが120超えろ的なイベントが始まったんで『レベ上げガンバラな!』とか思ってたんだが120余裕を持って超えてた時の失望感」
天道「そりゃあんだけサイク狩りしてりゃレベルは上がるわな」
作者「あんまりにも狩り過ぎて『こいつ等何で絶滅せんの?繁殖方法として分裂でもしてんのか?』つってクラメンに爆笑された覚えあるわwAM4時w」
天道「寝ろ」




