鉄鬼の家庭崩悶~テメェの××に×××××を突っ込んで奥歯ガタガタ言わせるぞ~
ーーー鉄鬼視点
『ヒャッハー』『死ね死ね死ねぇ!』『死を乗り越えた農民だけが優秀な農民だぁ!!』『本当に農場は地獄だぜぇ!!』
ギルド専用チャットをONにして、ウィンドウに会話を表示してるが御覧の有様だった件について。
「・・・おいアンソニー、なんでウチの馬鹿共はこんなに元気なんだ?頭でも湧いてるのか?」
『さぁどうでしょう?少なくとも上位陣は常識人ばかりですしねぇ?』
俺のボヤキに対して答えを返してくれるアンソニーだが・・・。
「・・・・常識人なんてウチにいたっけか?」
『・・・・・・・・我々は常識人です、いいですね?』
「それで『あ、はい』とか返せるレベルじゃね~だろ・・・・。
現実逃避はコレくらいにして、ちょっと馬鹿共の頭の螺子を絞め直してくるぞ。」
そういって街で買っておいた『農作業用』のフル・プレートアーマーを着込む。
『頑張ってくださいね。こっちはちょっと納期が厳しいので手助け出来そうにありません。』
アンソニーの作る『布』系アイテムは柔らかくサラサラとした触り心地で、天道直伝のエンチャントが付いていて中級から上級者に掛けて広く人気を誇っている。
始めたばかりの人間も知ったら欲しくなるんだろうが、一日に作れる数が決まっていて、尚且つ予約もぎっしり埋まっているので仕方ない。
それにアンソニー自体が作る作品も中々好評なので実は『農狂』で1番忙しい人物かもしれない。
・・・新人達は録に会わないもんだから『影が薄い』とか言ってるが、認知度で言ってしまえばトップである。
天道は趣味人なので生産して新しく出来た物を中々市場に流さない。
そのせいでウチのギルマスは農業特化だと思われてるが、俺の『ランスコップ』や上位陣の使ってる武器の大体が天道の作品なので農業だけって訳じゃないんだがね。
3日に1回は全農地を耕してるし、ギルドメンバーの武器を作ったり傷んだ農具を鍛冶で治し、錬金術で未知の物を作り、熊を投げ飛ばす。
・・・あの馬鹿一体何処へ行こうというのか。
そんな馬鹿に懐いた馬鹿集団を憎めない奴等だと思う。
だが、収穫はやって貰わねばなるまい。
余の為、他人の為、そして俺のため。
え?『よ』の字が違う?自分のこと2回も言ってるって?
あたりまえだろうが!
天道は大体農地に引き篭もってるし、アンソニーは忙しく働いてる。
つまり副ギルマスとして動けて、尚且つ村の外にも定期的に出ている俺がギルドの窓口扱いなんだよ!
もっと言えばフレンドリストのタブに『顧客』のタブを作る程度にはフレンド登録をお願いされている。
笑顔だけども目が笑ってないお姉様方や暑苦しい兄貴連中に囲まれての脅迫(お願い)だったとしても登録しちまったものは仕方ない。
・・・また囲まれるのはゴメンだからな。
鎧を着込み『ランスコップ』を地面から引き抜き、ギルドチャットで呼びかける。
「今から家庭訪問するぞ!後ゲーム内時間で2時間程度しか残されてない。
ノルマ達成できなかった奴は俺の代わりに袋にされろ!以上!!」
静まるチャットウィンドウ・・・そして一拍置いて
『やべぇ兄鬼が来襲ぞ!!』『兄鬼のガサ入れだと!?』『ちょっと待とう!今良いとこなんだぞ!?』『ノルマ忘れてたわ』『ブルータス、お前もか』『誰がブルータスだ!』
チャットウィンドウが騒がしくなった。
・・・何人かサボってやがったな。
「じゃあブルータスんとこから行くぞ。」
『ブルータスちゃうよ!?』
そうして俺は袋にされる未来を回避するために歩き出した。
「あ、ノルマの1割も行ってない奴はズボンの中に『絶望の極致』突っ込んで下の口から喰ってもらうからそこんとこ宜しく。」
チャットウィンドウが阿鼻叫喚と化した瞬間であった。
作者「聖杯ダンジョン潜りたくないで御座る」
鉄鬼「いや潜らないと武器弱いだろ」
作者「あの雰囲気が苦手なんだよぉ」