クルーキットクルーキットクルー
黒馬が俺を振り落とそうと暴れ始めた。
まさに跳ね馬とでも言いたくなるような荒々しい動きだが、残念ながら筋力(STR)と体力(VIT)には自信があるんだよ。
「ほぼ毎日、一般人が過労死するレベルの農作業をこなす農民の力舐めてんじゃねぇ!!」
俺は左手で黒馬の首を握りつぶすように掴み、殴れるナイフ君真打の刃で覆っていない柄の部分で頭を殴りつける。
まるで火サスで犯人の家に乗り込む前にドアをノックする刑事の如く何度も殴りつけた。
「BURAaaaaaaaaaaaaa!!」
何度も殴打してHPゲージが1/3減ったところで黒馬が吼えた。
響くような嘶きではなく、怒った雄牛のように咆哮したのだ。
文字通り『キレた』ようで赤い鬣が燃え上がり、俺の腕を焼いた。
「あっづぅぅうううううううううううう!?」
流石に日ごろ似非中華作ってて火傷に慣れてても直火は熱いわ!!
それのせいで体勢が崩れて落馬しそうになるが、置き土産として殴れるナイフ君真打を思いっきり突き刺してやった。
そして俺は落馬し、黒馬は俺から距離を取った。
立ち上がって黒馬を見る。
HPは大体3/5・・・半分よりちょっと多いくらいだ。
次に俺の状況をさっと確認する。
正直なところ満身創痍だな。
・・・ポーションでも持っとけば良かった。
「『グランド・フォース』!『ガイア・フォース』!!」
回復用にガイア・フォースを発動する、そしてコストを吊り合わせる為にグランド・フォースも掛けておく。
そして、その2つを掛け合わせたことにより俺にはSTR10%UPとVIT40%UPの効果とHP・MPの時間回復効果が発動している。
身体から土色のオーラっぽい物が立ち昇る。
黒馬の方も全身を赤いオーラで覆う。
お互いが本気になった。
つまり此処からは殺し合って俺が殺されるか、アイツが半殺しになるまでそう時間は掛からないだろう。
「BURAaaaaaaaaaHIAaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
先手は黒馬だった。
驚くべき事に馬の癖に走る事を辞めたらしい。
鹿のように右に左にとジグザグに跳ね飛ぶ。
凄まじい速度だ。
だが1言言いたい。
「テメェ馬か牛か鹿かハッキリしろぉ!!」
そして俺はある『物』をアイテムボックスから取り出して右手で握る。
黒馬が直ぐそこまで来ている。
だがその頭の角度は角で突こうとしているにしては・・・アレ?
「GURUuuuuuuuu!!」
なんと噛み付き攻撃だったのか。
馬の癖に・・・と思ったが、コイツ歯が草食の獣の歯じゃねぇ!?
人間に近い歯をしてやがる!!
頭を齧られる前に右手を食わせる。
「っく!つまりお前雑食か!?」
「BARURU!」
それがどうした!?と言わんばかりに俺の右手を肩口まで噛み突いた黒馬。
ゴキゴキっと骨が悲鳴を上げる音が聞こえた。
そして右腕が犬歯に貫かれたせいで血が滴り落ちてくる。
18以上で流血表現あり設定してるからやたらとリアルだ。
痛みも最大値である30%設定にしてあるからそれなり以上に痛い。
普通なら直ぐに口から腕を引っこ抜くように動くだろう。
そう『普通』ならーーーーーーーー。
逆に俺は黒馬の喉へ突っ込むように更に腕を伸ばす。
AIゆえに腕を引き抜く動きではなく押し込む動きをしても噛み付く強さは変わってない。
・・・それがテメェの敗北原因だよ。
喉の奥に『ソレ』を擦りつけた瞬間に聞こえたのは『理解できない衝撃』を喰らった黒馬の悲鳴と・・・。
『俺を喰えよおぉぉぉぉ雄々ォオォォォォオオオオオオオ!!」
『絶望の極致』の心からの叫びだった。
噛まずに飲んだらキツイぜ?こいつはよ。
作者「昨日書いてたのにUPしたらエラーでて消えて萎え落ちした件」
天道「またか」
作者「ただ消えた方思い出したら今回うpった方のが農プレらしい気がした」
天道「@前の更新の時の感想の人達マジでありがとう。危うくゲイにされるとこだった・・・」
作者「英語の成績は1~2しか取ったことがない(エッヘン」