種族変化~ドワーフ編~
少しの間こんな話が続くよ!
・ドワーフの場合
「ふぅ・・・今日も1日これだけで終わっちまったな。」
ここ『武人の国』の首都である『アグイル』に滞在してもう1週間が経つ。
俺はここで斧使いのドワーフから斧スキルについて学んでいる最中だ。
このゲームはフラグ建てが結構簡単で、試練なども比較的に挑戦しやすい内容が多い。
まぁNPCのAIか思考アルゴリズムがキチンとしているせいで会話をしてコミュニケーションを取ったりしなければ教えてくれる気配すら無いのだが・・・。
フィールドでモンスターに襲われていた斧使いのドワーフに助太刀し、モンスターを倒したことでフラグが建ったという事だろう。
助けたドワーフに誘われて酒を酌み交わし、気を良くしたドワーフに『斧の技を教えてやろうか?』と言われて教えを乞うたのが1週間前。
基本技の『スマッシュ』『薪割り』だけだった斧の技に、命中時に相手を気絶させれる『スマッシュ・インパクト』と『薪割り』の発展技であり、ヒット位置によって防御力無視の一撃と化す『兜割り』が追加されている。
そして3日前から『ドワーフ斧術』という物を教えて貰っているのだが、一向にアーツが成功する感覚が無い。
ままならない物だ。
そう思ってもやっぱり悔しいという思いもある。
「何湿気た面してんだよ?」
「あぁ、何で成功しないのか・・・ってな。」
俺の横に腰掛けるドワーフのNPCである『ド・グラニ』が腰を下ろす。
酒瓶と2つの杯を持ち、俺に酒を注いだ杯を渡してくる。
「まぁそんなガツガツすんじゃねよっとっとっと。」
自分の杯には零れそうになるほど並々と酒を注ぎ左の拳を伸ばしてくる。
そんなグラニに苦笑しながら俺も杯を右に持ち、左の拳を伸ばす。
2人が拳を合わせると示し合わせたかの様に2人とも杯の酒を一気に流し込む。
なんでもこれがこの世界のドワーフの作法らしい。
杯を打ち付ける乾杯をしないのは『酒が零れたら勿体無い』からだとか。
ちなみに左拳を合わせるのが一般的で、右拳を合わせるのは命を賭けて戦う前なんだそうだ。
そして杯に注がれた酒は毒が入ってない事を信用しているという意味あいもあり一気飲みするのが礼儀なのだ。
・・・まぁゲームだし本当に酔えはしない。
軽い酩酊感だけは味わえるし、酒の味自体は再現されているから本当に酒を飲んでる感じではあるのだがね?
ちなみに今日の酒はかなり良い酒のようだ。
市販物のウィスキーより格段に風味が良く、口当たりも良い。
「はぁ・・・俺、才能ないのかな?」
「どうした?らしくねぇぞ?」
「初歩の技が出来ないんだ。弱音くらい吐いてしまうさ。」
そうなのだ。
グラニが見せてくれたドワーフ斧術の初歩である『横凪ぎ』が出来ないのである。
両手ででは無く片手で、それも本当に軽く縦に振ってから繋ぐようにして行う連続技に近い技で、隙の大きな斧の攻撃の中でも振りが速く、それでいて隙が小さい優秀な技だ。
簡単に言うと格ゲーなどでいう『キャンセル技』とか『硬直キャンセル』という物だろう。
これが出来ると出来ないの差は歴然だった。
横に凪ぐだけだと思っていた自分の馬鹿さ加減に呆れ返る。
斧を振るモーションが乱れたら発動しない、斧の軌道が少しブレても発動しない、乱れを気にして丁寧に振っても速さが足りなければ斧は唯刺さるだけ、逆に早さを追求しすぎて握りが甘くなれば斧が弾かれる。
もう少し、そんな気はするのだが、何かが足りない。
そんな感じがするのだ。
「・・・・俺もドワーフに成れれば良いのにな。」
それは俺の弱気から出た有り得ない一言だったのかもしれない。
だが、この世界からすればそれは可能な事でもあった。
「だったら成っちまえばいいじゃねぇか。」
「は?」
「ドワーフになりてぇんだろ?なりゃぁ良い。」
グラニは俺の杯に酒を注ぎながら言葉を紡ぐ。
「この酒はな『火の神の一滴』つう酒でな。ドワーフの始祖が生きていた時代からずっと受け継がれてる物だ。
んでこれは『ドワーフ』にしか飲めない酒なんだ。」
「え?いや・・・俺は人間だぞ?」
困惑する俺をカカカと笑いグラニは続ける。
「確かにお前さんの身体は人間だ。
だけどよ?仲間を助け、友を守り、隣人を見捨てない。それが俺等『ドワーフ』って輩だぜ?
身体がどうした?作りが違う?関係ねぇよ。俺等はそんな事気にしない、するだけ無駄だからな。」
そういって杯を差し出す。
杯に並々と注がれた酒は、赤い月を映して俺に差し出された。
「酒を飲んで笑ってみろ、違いなんて関係ねぇ。皆同じだよ。
飲もうぜ?友よ。飲んで歌って騒いで・・・時には喧嘩して、また飲んで許しあえるなら人間かドワーフかなんて関係ないだろ?」
「・・・そうかもしれないな。」
そういって俺は杯の酒を呷った。
《種族変化『ドワーフ』が実行されました。》
何だ!?
急に視界が暗転したと思ったら、とんでもないシステム・アナウンスが流れたぞ!?
俺の姿を見てグラニが微笑む。
「なんだ、身体もドワーフに成れたんじゃねぇか。」
「いや・・・成れたってかさぁ・・・。」
なんだろう?イマイチ釈然としない感がある。
「別にいいじゃねぇか。ほらドワーフに成った祝いに飲みに行くぞ。」
「そればっかかよ!・・・まぁいいか、付き合うさ奢りならな。」
そうして世に新たなドワーフが誕生した。
天道「おいボケ、いきなり何やってんだ。」
作者「後悔はしていないが反省してる。でもこんなタイミングでも逃したら書くの忘れそうで・・・。」
天道「で?何で種族が変化する話しを書いたんだ?」
作者「前々から書こうと思ってたんだけどね?ミハエル出した@ぐらいからだから大分前だけど。感想に『これは事故なんですか?』とか『正規ルートじゃないだろうな』って感じの感想があってさ。
他の種族に変化するのもあんま大差ないって感じの話を作りたかったんだよ。」
天道「ほ~、で何個書く気だ?」
作者「天人・魔人・獣人・魚人・エルフ・ドワーフ・アンデット・竜人こんだけいるけど天・魔・獣・エルフをやろうかと・・・あぁ、アンデットはミハエルの話だけど少しだけ書き足す予定ではある。」
天道「つかなんで今なんだ?」
作者「トロポックの顔のせいだな。アレ実はある種族に変化した時の副作用なんだよ。」
天道「あ、そうなのか?」
作者「ほらキャラメイキングでイケメンにでもなれるじゃん?トロポックは潰れた蟇蛙みたいな面なのにそれをしてないのは可笑しいって感じてる鋭い人も居るわけだ。むしろ感想に書かれた時にバレか!?って吃驚した。
その伏線になってない伏線を回収したい。」
天道「無計画だからそうなる。」
作者「サーセン。」




