~幕引き~
お待たせしてすんません(;´・ω・`)
----3人称視点
理解不能
それが彼『トロポック』の心境であった。
無理もない。本来なら攻城兵器を使うか何人もの人間で攻め立てて門を壊す・・・そういった戦法が必須だったはずだった。
しかも今回の中規模戦では攻城兵器として使えるのは丸太を集めて作ったような形の『破城槌』だけで、その重量故に前衛職系のキャラ数人掛かりで使うのが前提だった。
門の耐久値はそこまで高くないとは言え、破城槌は蛇の連中の中で持ち上げれる人間は限られている筈だったし、前衛組とぶつかった際に数人脱落すれば破城槌は使えなくなる。
盗賊や暗殺者系統が主体である蛇の連中が門を壊そうとしても相当時間が掛かる。それこそ城壁を乗り越えた方が早いくらいに。
だからこそ自分達の城の防衛設備を壁越え対策として稼動させていたのだ。
それなのに・・・。
「なんでタックル一発で壊されたんだ!?」
トロポックを守る前衛系の男が叫ぶ。
何時も冷静な彼が取り乱す、それ程の衝撃だったのだろう。
これは天道も気づいてない事だが、『盾を前面に構えて突撃する』この行動は盾系スキルを習得する際のチュートリアル的なもので教えられる事の1つで、自分が使えるアーツの起動選択をせずに使う為のテクニックなのだ。
ただし、使えるアーツは『盾を装備して』使えるアーツに限られる。
すなわち『シールド・チャージ』や『アーマード・ブル』といった盾系統の突撃アーツが出るはずなのだが、天道が盾スキルを取ったのは必要に駆られての事で、盾の使い方を教えてくれるチュートリアルNPCに教えて貰ったわけでは無い。
つまりはそんなシステム的なテクニックなど知らないのである。
そして天道は盾系突撃アーツを持っていない。その代わりとして、盾装備中でも使える突撃アーツが自動で選択されたのだ。
『強行突破』が。
普通のアーツではなく、称号に付属したアーツなので冷却時間が長いが盾を使っていても使えるという利点もある。
そして『強行突破』の能力は攻撃した相手を吹っ飛ばす事、それだけだ・・・が、それだけに特化した性能を門に対しても発揮した。
門を閉じる為に使われる『閂』を吹っ飛ばしたのだ。
勿論、攻撃力が存在しないアーツでの特殊効果なので損耗してなどいないが、もう一度機能させるためには誰かが門を閉じ、閂を入れなおさなければならない。
だが・・・城の中に居るドラゴン・ナイツのメンバーは3人しか居ない。
ギルド・マスターであるトロポック、トロポックを守る為の前衛職、トロポックの補佐である魔法使い職の3人だけである。
トロポックは動かせない、前衛はトロポックの護衛なので動いてはいけない、魔法使いは閂自体を1人では持ち上げれない。
城の外に居るメンバーは、ほぼ壊滅。数名残っては居るが前門の鬼後門の地雷という地獄絵図のような状況で撃滅されるのは時間の問題だ。
魔法使い系職に至っては全滅である。
つまりは
「王手ですよ。」
トロポックが正面を見据える。
そこには2人の男が居た。
「『毒蛇』!」
1人は『毒蛇』と呼ばれたイカレた格好をした暗殺者。
ブラックリストの1ページ目の1行目に堂々と居座る前衛組の天敵にして現・最強の暗殺者と呼ばれている男『ジャック』。
その毒蛇の横に並び立つ原人の様な男。
この大敗の主原因の1人でもある・・・・多分だが挌闘家。
フルプレート・メイルを着込んだ前衛の男よりも重厚な筋肉の鎧を持って文字通り人を殴り飛ばし、握り潰した男だ。
それが目の前に居る。
「お喋りしている時間も勿体無いですし、さっさと終わらせましょう。」
「そうだな、そろそろ読者も飽き飽きしてるだろうしな。」
「何の話しです?」
「大人の事情ってことだよ。」
(たぶん)怪訝な顔をして首を傾げるジャックとカカカと笑う天道。
緊張感という物を持って居ないような態度にトロポックが吼える。
「貴様等!俺達はまだ負けてないぞ!!」
怒り心頭のトロポックを守るように前衛が前に出る。
魔法使いも杖を構えて詠唱に移っている。
トロポック自身も魔法剣士として自分の剣に魔法を付加するべく詠唱に入った。
だが、それを嘲うかの様に投じられた瓶が、彼等の覚悟を無に帰した。
ジャックがトロポックに向かって瓶を投げつけたのをみた前衛の男が剣で投じられた瓶を切り裂いた。
砕かれた瓶の中に詰められた紫の中に色々な斑色が混じった粉が周囲を包む。
・・・詠唱が止んだ。
代わりに苦悶や嘔吐するかのようにえずく声。
ジャックはそれを見て改めて隣に居る瓶を渡してきた人物に問う。
「・・・・何なんですか?アレ?」
「『絶望の極致』っていう拷問くらいにしか使えない植物のような何かを摩り下ろして乾燥させた粉末だよ。
ちなみに効果はランダムだけど味や臭いはどんだけ時間が経とうと変わらないっていう糞迷惑な1品だ。」
自信作だぞ・・・そう言外に主張する天道にジャックは戦慄を覚えた。
少し吸っただけで毒ガス兵器真っ青な効果を及ぼしたアレが不味さや臭さだけというなら、一体どれ程の不味さだと言うのか。
そして何でそんなものを作ったのか。
聞けば教えてくれる気がしたが、聞いては駄目だという直感がジャックの口に蓋をした。
何も聞かなかったことにしよう。
そうしてジャックは考える事を辞めた。
「なんか殺すのも可愛そうなんで宝玉を壊しますね。」
「え?とりあえず殴ってきて良いんだよ?」
「死体蹴りは趣味ではないので。」
「死んでない、死んでない。」
どこまでも緩く、緊張感の無い2人によって宝珠が砕かれた。
システム・コールによる勝敗決定の合図。
これによりモンスレのオープンから始めてのギルドの存亡を賭けた戦争が幕を下ろした。
作者「仕事だけじゃなく他の用事も絡んでくるなぁあああ」
天道「早さがたりねぇんだよ」
作者「これで4章の『前編』がやっと終わった事になるな」
天道「・・・は?4章の終わりじゃなしに?」
作者「ゴメン、@中篇と後編があるんだ・・・。」
天道「おいボケナス、この物語この調子で終われるのか?読者様目線で言うとエタるエンドしか見えないんだが?」
作者「・・・大丈夫だと思いたい。9章まで進めるためのネタは有るんだし・・・。この物語が終わった@の話しも考えてるっつか骨子はもう出来てるし・・・爺もあるし・・・。」
天道「アホか!?これが終わってから考えろや!」
作者「偶には息抜きしたいじゃん(切実)」




