ファーマーズ・フロント・ライン
ーーー3人称視点
「国作ーーー!!」
「医療班!医療班!!」
「んな上等なもん居るかよボケェ!」
「死ぬ前に殺せ!俺等の敵を地面の肥やしにしてやれぇい!!」
敵の後方に位置する魔法使いとそれを護衛する戦士系プレイヤーが農民と弓兵の邪魔にあっていた。
だが旗色は農民と弓兵が劣勢であった。
人数差が最初から開いていたのである。
いくら弓兵が矢を射掛けた所で呪文の詠唱を失敗する魔法使いは約4割に満たない。
残りの6割の魔法使いの魔法が弓兵に向かって放たれ、弓兵の低いVITが災いして人数差が更に広がる。
そして農民達は敵の前衛に邪魔されて一進一退の状態であった。
ハッキリ言って『詰み』の状態に近いのである。
それでも農民は諦める事をしない。
今、この場に居る農民は『ガイア・フォース』を使えない。
所謂『補欠』だったとしても、敵わないと知っていても彼等は諦めない。
『どうせ死ぬなら派手に死ね』彼等のギルドマスターが作った農狂の誓いの1つである。
無駄死にするくらいなら1人でも多く道連れにしろ。
それを平然と口にするギルマスに着いて来る人間は少ないかもしれない。
だが、ギルマス本人が『実行』しているのだから文句など言えるはずもない。
彼等の目標は『最高の作物を生み出す事』それに終始する。
例え葡萄が木製のゴーレムになって収穫を物理的に拒否してこようが、ジャガ芋のせいで畑が地雷原になろうが、時折勝手に受粉して訳の分からない新種に害されようが農狂の農民は美味しければそれで満足なのだ。
故に、彼等は諦めないし、最後の最後まで足掻くのだ。
ドラゴン・ナイツの面々は軽く恐怖していた。
邪魔な弓兵はかなり片付けた。
だが、目を爛々と輝かせながら雄叫び突っ込んでくる農民の勢いが止まらない。
むしろ仲間が倒れても回復もしなければ蘇生行動すらとらない。
傍から見れば牧場の牛を食い殺そうとする野獣でしかない。
さっき仲間の名前を叫んでた奴が良い証拠だ。
あれは仲間を労わってるのではない。
『盾にした』仲間を気にしてるだけであった。
農民の1人が中級魔法の発動を見てすぐさま採った行動が『隣にいた仲間を盾にする事』だった。
魔法はその国作とかいう奴に命中し、瀕死になった仲間を更に盾にしようと回復させろといった指示。
尤も、回復役など居ないので盾にした後は、敵に投げつけたのだ。
容赦の欠片も無い。
そして仲間を投げるという行動とそれを見てドン引きした相手を見るなり腰が引けてる奴から殺しにかかる農民(外道)達。
投げられた国作はギリギリで生きていたにも関わらず、仲間に踏まれてHPを砕かれた。
どこまでも無慈悲な奴等であった。
作者「こいつら容赦ねぇ!」
天道「書いたのお前だけどな」
作者「なんか湿っぽくなりそうだったしなぁ。農狂らしさを考えたらこんな外道な事にwww」
天道「前の話しで俺の首折りスープレックスが『それブレーン・バスターだろ』って突っ込まれてたけど?」
作者「技の派生としてはそうだろうけど、要領で言えばジャーマンに近いんだよなぁ」
天道「プロレス知らない人にも分かるように言えば『後ろから回り込んで、脇の下から脇腹に掛けての部分を両手でロックして、組み体操のブリッジと同じポーズで相手を頭から落とす』のがジャーマン・スープレックス」
作者「『お辞儀してる格好の相手の首をロックして、首を支点にリフト・・・つまり持ち上げて一度上で止めてから自分と一緒に後ろに倒れるの』がブレーン・バスターだね」
天道「ジャーマンが頭と首、ブレーンが背中に対してのダメージだな。ブレーンの垂直式ってのもあるがアレ失敗すると大惨事になるからな」
作者「軽く死ねるわな」
天道「プロレス談義は此処までで、お知らせだぜ~」
作者「次週!決着、そして物語は急展開を迎える!」
天道「次週か・・・。また待たせる気かよ」
作者「あ、更新自体は金曜にするよ?」
天道「次週じゃねぇ!?」
 




