戦争準備~俺は魔法『融合』を発動するぜ!~
さて、2日後に備えて色々と準備をせねばなるまい。
俺は拠点に帰る前に施設職人の店に寄った。
施設職人はドワーフのおっさんで名前が無い。
施設職人だとしか名乗らないから知りようもないという。
「よう、おっさん。
悪いが即行で施設建築頼むわ。」
「何を作るんだ?」
「鍛冶場を増築だ。
後、ランクは2で頼む。」
「時間が3日程掛かるぞ。」
基本的にNPCが何かを作る際には通貨であるGの他に時間が掛かる。
だが、ゲーム内時間で3日というのは現実時間で12時間。
普通なら大した事ではないが、今は時間が必要なのだ。
「追加料金を払う。
最大効率で何時間掛かる?」
ドワーフのおっさんはウーンと悩んでから俺に金額と時間を告げた。
「1時間だな。
金額は施設の代金と特急料合わせて25万Gだ。」
なんと鉱山の半分近くの値段である。
まぁ仕方ないか・・・何時でも良いやと増築を後回しにしたツケを払わされたな。
施設職人との交渉後、1時間以内に準備を終わらせるように急いで薬品アイテムや素材アイテムを用意する。
俺の拠点はそこまで凝った物ではない。
普通の2階建ての家と同じ様な間取りで、所狭しと農具やアイテムが並べてある。
そして2階の1番大きな部屋にあるのが錬金術用の工房だ。
ここで日々、植物を合成している。
7割の確率で変なのが出来るのはご愛嬌ということにしておいてくれ。
大釜を火に掛けて中に水を入れる。
水は屋根の上に付いている給水用の巨大な樽の中に水を入れて置いて、各所に設置したバルブを緩めると上から垂らしてあるパイプを通っている水が流れるという原始的な仕組みだ。
大釜に水が溜まったら手を翳して魔力を込める。
魔力の込め方は手から何かを出すというイメージだ。
ちなみに火を出そうとすると本当に火が出て燃えた奴も居るから無難なイメージの方が良い。
ちなみに俺は血を集めるイメージだ。
大釜の水が魔力と反応したら、時計回りに6回、反時計回りに6回かき混ぜる。
これで『魔力水』が完成する。
出来上がった『魔力水』に『暁顔・覚醒種』の残した種を1粒すり潰してから『魔力水』と混ぜ合わせる。
そして火の勢いを少し強めて沸騰させる。
沸騰状態から火の勢いを変えてないのに沸騰が収まったら『統合水』の完成だ。
『統合水』は俺が尤も使う物で、主に植物と植物を混ぜ合わせたり・植物や鉱物のインゴットに余計に追加したり出来る水なのだ。
だが、鉱物のインゴットに細工をするのにはもっと強力なのが必要なのだ。
そこで出てくるのが『オーガの胃液』だ。
このブチ臭ぇ胃液を『統合水』の中に少しずつ入れて混ぜていく。
マヨネーズを作る時に卵黄に少しずつ油を入れるような感覚だ。
やがて、澄んだ魔力水から黄色っぽくなった統合水、その黄色を塗りつぶすように紫色になった水。
『融合液』の完成である。
融合液自体を樽に取り分けて、最初の混ぜる物を取り出す。
鉄のインゴットと魔喰い獅子の牙を融合液に入れてかき混ぜる。
マギアレブの少し辺鄙な場所に住む魔喰い獅子『マナ・イーター』の牙。
俺には縁が無いと思ったが、ミハエルがお土産にくれた。
・・・なんで魔法が効き難いモンスター相手にして魔法使いソロで勝ってるのか理解不能なんだがね?
ちなみに壁役が構えた鉄の大盾を食い千切ったという情報ががが。
動きも速いし力も強い、更に魔法も通じ難い。
オマケに体力も高めという。
挑む奴の大体は餌になってるという話しだ。
魔喰い獅子>>ストーキング・プー>>>>ゴブリン
こんな認識なんだそうだ。
・・・・俺も討伐出来そうな気がするのは間違った考えなのか?
まぁそんな話しは置いておいて。
融合液がインゴットと牙に対して反応して沸騰している。
それを溢さないように慎重に混ぜていく。
反応が終わって沸騰が止んだら、インゴットを取り出す。
使う前の半分以下になった融合液を補充して次のインゴットと素材を混ぜる。
その作業を延々と繰り返し続けた。
作者「時間が削られるなら良い方法があったよ!・・・寝なければ良いんだ!」
天道「休みの日だけにしとけよ!?」
作者「投稿時間を見て『早起きしたんだなぁ』と思った人、残念!」
天道「早起きしたなんて思う読者様なんて居ないだろ。」
作者「え?なんで?」
天道「テメェ、何時も何時に投稿してるよ?」
作者「(深夜)3時・・・・・・あ。(察し」




