人魂・・・・実食!
ーーージャスティス視点
「とりあえず食ってみよう。」
そう天道氏がインベントリから文化包丁とまな板を取り出す。
付け合せに鉄鬼氏が豚肉と生姜を出していた。
「・・・何だ?」
「生姜焼きおなしゃっす。」
表情が凍りつく天道氏。
「醤油がな・・。」
「はい、醤油です。」
アンソニー氏に醤油を瓶で渡される天道氏。
・・・・・・・。
逃げ道を塞がれる様がなんとなく哀れに思えて来るのである。
「おのれ!謀ったな!!?」
「とんでもねぇ・・・(食おうとするのを)待ってたんだ。」
鉄鬼氏が下衆のような顔で天道氏に微笑む。
仲間相手に下衆の笑いはどうかと思うのである。
「っち、覚えてろよ。」
そういうと包丁を握ってまな板の前に立つと天道氏の纏う空気が変わったような気がしたのである。
まず生姜を切って使う分を取り分けているようである。
使う分を更に切って1/3分を摩り下ろしていく。
摩り下ろした生姜を小鍋の中に投入。
残った生姜を千切りにして小皿に取り分けているのである。
そして問題の『人魂』なるエシャロット?という植物の皮を剥いていく。
そしてまな板の上で包丁を向けた瞬間にそれは起こった。
『キャアアアア!ヒトゴロシィィイィイイ!?』
・・・・・・・・・・。
喋った。
鉄鬼氏もアンソニー氏も表情が曇った。
興味深々で見ていたエンプレスもどん引きしていたのである。
天道氏も・・・・?。
「ふん。」
ザクっと小気味のいい音と『ギャァアアアアアアアア!?』という断末魔の声が上がった。
天道氏は引いてすらいなかった。
むしろ冷徹な笑い顔で歯を露に凶暴な顔つきでスライスしていく。
その度に断末魔の声が上がるが、「良い声だな。悪魔の城って名前に相応しいじゃね~か。」とか言いながら手の速度を緩めもしない。
全員がどん引きである。
『ゴェっ・・・。オボォゥ・・・。』
人魂の断末魔が小さくなっていく。
断末魔というより苦鳴に近いものだったが、天道氏は気にせず捌き切った。
「確かに五月蝿い奴だったな。」
これが天道氏の言葉であった。
その後、『カフェ:悪魔の城』の厨房を借りて、豚の脂身を少し切り分けた物を小鍋の中に入れた下ろし生姜と一緒に弱火で炒めていく。
豚の脂身から出た脂で炒めた生姜が食欲をそそる匂いを発しているのであるな。
そしてその脂の物を漉して脂だけをフライパンに残すと火に掛けて温度を上げているようである。
ある程度上がったようで人魂のスライスを投下したのである。
『イヤァァアアアアアアアアアアアアアア!!』
不意打ちに上がる断末魔の声。
と、いうよりもまだ生きていたのが驚きである。
「黙れ食材。
貴様は俺に調理されて逝くのがお似合いなんだよ!」
・・・・・慈悲など無かったのである。
その後もスライスされて人数が増したように数が増えた人魂の悲鳴。
言葉は違えど意味は同じ『悲鳴と断末魔』を上げる人魂を調理する天道氏。
「エンプレス・・・同じ事ができるであるか?」
「ちょっと濡れちゃうかも・・・。」
・・・・・・・・・ドSであったか。
我輩は深く考える事を放棄した。
「出来たぞ。」
そういって完成した生姜焼きは実に美味そうであった。
『ギャァアアアアアアア!!』
噛んだ瞬間にまた断末魔の絶叫。
・・・・・・・・・勘弁して欲しいのである。
味だけは最高であったとだけ言っておくのである。
天道「これ悲惨だよな。なんでこんなの作ったし。」
作者「元ネタあんぞ?」
天道「あんの!?」
作者「俺が中学の時、幼馴染からの弁当の中身トレード断ったらやられた。」
天道「・・・レートは?」
作者「卵焼き1個と唐揚げ1個だな。こっち卵焼き。」




