生産職は厳しいのがデフォ
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感想なども募集中であります。
時間的にはまだまだ余裕。
なら次にすべき事は、装備を整える事だろうと考える。
流石に武器無し素手喧嘩じゃ怪物なぞ狩れる気がしない。
・・・いやイザとなったら殺るしかね~んですがね?
とりあえず武器を調達しましょう。
と、言う事で大通りを歩く。
MMORPGの最初の街なんだから大通りに普通の武器屋があるはずだという考えである。
流石に最初から素晴らしくプレイヤーを殺しに掛かって来た運営であろうとも、流石に武器屋かそれに準ずるものは用意しているはずだ。
2分程歩けばありました!
直剣のエンブレムの入った看板発見!!
数人のプレイヤーの姿も確認できる。
なぜプレイヤーだって判ったかって?
俺と同じ服装してんだもん。
判らないって方が可笑しいだろ。
武器屋はショーケース方式らしくガラスのショーケースに飾られている。
値段も紙で書かれてあって、確認してみたが・・・・俺の買える金額じゃねぇ!?
1番安いのがナイフであり、そのお値段なんと『1400G』
俺の所持金を早速超えてくれやがりました。
いや、マジでど~すんだよコレ。
「あんちゃん、武器かわね~のか?」
武器屋の髭面NPCが声をかけてくるが、俺の回答は1つだけだ。
「高すぎるだろ、買えね~よ。」
「んじゃ鍛冶屋にでも行ってみな、屑みたいな短剣くらいあるだろうよ。」
『金を持ってない奴に興味はねぇ』そう言外の態度で言って来る髭野郎(NPC)。
つか鼻ほじりながら言ってんじゃねぇよ!
プレイヤーだったらPKしてるね。
とりあえず機会があったらオラオラ(ぶん殴る)する事に決めてから鍛冶屋を探しに行く。
中指を上に立てて凸を作り。
「ありがとよ鼻糞親父!」
そう言って店を後にする。
歩く事4分、槌と剣が交差した意匠の看板が見えた。
扉は開けられていて、中から熱気が漂ってくる。
熱いのを我慢して中に入るとスキンヘッドのおっさんが腕組みをしてガイナ立ちをしていた。
・・・暑苦しい。
「よく来たな!ダルトム鍛冶店だ。
今日はなにがあってきたんだ?」
ん?
俺は、暑苦しいおっさんの台詞に僅かな引っかかりを覚えた。
「この鍛冶屋って何ができるんだ?」
「そりゃおめぇ、武器や防具を特注したり、自分で鍛冶仕事を覚えに来たり、鍛冶関連の施設をレンタルしに来たりと色々な奴がいるぞ?」
おっさんは暑苦しいがマトモなNPCらしい。
さっきの髭とは格が違うな。
俺の所持金は1000G。
考えて使わなければならない。
「鍛冶場のレンタルって幾らか教えてくれないか?」
「鍛冶場のレンタルは1時間1000Gだ、鉄鉱石や各種素材は持ち込みだけで、こちらから素材を用意することは無い。」
はい詰んだ!
「・・・そうか、鍛冶仕事を覚えるのは幾らなんだ?」
やや気落ちしながら聞く。
どうせお高いんでしょう?
「鍛冶仕事を教えるのは『見習い』になるってことだ。
ここで働いてもらう代わりに、鍛冶のイロハと僅かばかりだがGを時給計算で給金にする事になる。」
・・・!
つまり金を稼げて鍛冶を覚えれるって事か!
「鍛冶仕事を教えて欲しい!」
「そうかそうか!見習い志望か!ならこっちに来い、さっそく始めるぞ!」
そう言っておっさんは、俺の襟首を掴んで引っ張って行く。
こうして暫くこの鍛冶屋でバイトする事が決まった瞬間であった。
まず最初に覚えさせられたのは鎚の振り方だ。
昔、家を取り壊す時に使っていたような金属のハンマーを頭上まで振り上げて、真っ直ぐに打ち下ろす。
そして鉄敷の上に置かれた『金鳥鋼』と呼ばれる鉱石の板に振り下ろす。
この鉱石、硬度は低いのだが粘り強さが異常に高く、真っ直ぐに鎚で叩くと澄んだ音を響かせるのだ。
これを30回連続で響かせない事には次のステップに行けれないらしく、ここ2時間程、鎚を振り続けている。
真っ直ぐに打ち下ろすのは意外と難しいのだ。
少しでもぶれると蛙が潰れたような音しか出ない。
力を抜いて、慎重にやると気の抜けたアホウドリの声のような音が出る。
力を入れてても、頭上まで振り上げてなければ腹を下したおっさんの排泄物のような音が鳴る。
これ新手の拷問だろ。
それでも俺は鎚を振る。
3時間後、やっと金鳥鋼から30回の澄んだ音を響かせることに成功した。
はっきり言おう。
腕が痛い、腰も鳴っては駄目な音を響かせる。
それでも俺はやりきったんだ!
その達成感で床に倒れる。
床の泥に塗れるが今はどうでも良い。
この達成感だけで満足だ。
「今日はここまでだな。
夜になるから帰りな。」
そういって追い出されるようにしてその場を後にする。
「今日は給料は無いが、次に来る時にまた鎚の試験をやる。
それに合格すりゃあ、晴れて見習いだ。」
また30回やらねばならんのか・・・・。
生産職が甘い何て事はお断りします
ハハ
(゜ω゜)
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((⊂ ) ノ\つ))
(_⌒ヽ
ヽ ヘ |
εニ三 ノノ J