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農民Play!  作者: オグズウェル
フレンドリーPlay!
46/93

ここは八百屋ですか?~いいえ、戦場です~

新キャラ登場!更に視点主!

ーーージャスティス視点


「我輩は何故(なにゆえ)にこんな辺境に来る羽目になったのであるか。」


我輩の名前はジャスティスという。

喋り方はロールプレイの一環なので深く突っ込まないで頂きたい。


我輩は前線攻略を主に行う壁神官という立ち位置なのだが、今日はログイン時間が少々遅めになったしまったのである。

そして遅くなってしまった為にギルド『タロット・ナンバーズ』の前線組はすでに出発済み。

他には生産系のメンバーかゲーム機の入手が遅くなってしまい後発組となってしまったメンバーしか残って居なかった。


後発組メンバーと一緒に狩りにでも出かけようにも後発組は6名でフルパーティーなのでそれも出来ない。

我輩だけで狩りを行おうにも、壁職と神官職の必須スキルばかり集めている我輩は単体攻撃力はあれど殲滅力が圧倒的に欠けているので前線にはいけず、かといって近場の狩場は大体が物量系狩場なのでビルドになっていない。


さて、何をしようかと思った矢先にエンプレスに買い物の荷物持ちになってくれと頼まれたのである。

エンプレス自体、生産に重きを置いてはいるが剣による戦闘は中々強いのでSTRはそれなりにあるはずなのだが大量に買い込むので人手が欲しかったらしいのだ。


ちなみにこのモンスレ(ゲーム)のアイテムインベントリは重量・時間経過の影響を受けないという仕様なのであるが、インベントリ自体の枠は固定なのである。

合計30枠である。

しかも最大個数は50個までというものなので、纏め買いするなら少々厳しい物になるのである。



まぁエンプレスの頼みでもあるので了承して着いていく事にしたのである。





・・・実はこのエンプレス、ギルドメンバーの中で絶対に怒らせてはならない人物の1人なのである。

ぶっちゃけるととても怖い。

ロールプレイがぶれる程怖い。


まぁ尤も、一番怖いのは胃袋を掴まれているという点であるが・・・。

このエンプレス、『女帝』という偉い身分を示すカードの名前の割りに家庭的なのである。

そして得意分野は料理である。

凄く美味い。

料理店を出しても大成功するような味なのだ。

それが怒らせると臭い飯にされる。

日本人は美味い物に弱いと思い知らされる瞬間なのである。

美味い物と臭い飯・・・比べるまでもなかろう。



話がそれたのであるな。


話しによると野菜を買いに行くそうなのである。

何でも本当に良い野菜は首都や始まりの街には無いとの事である。


セネルガムにある拠点から始まりの街にゲートで移動したのはよいのであるが、まさか1時間近くも歩かされるとは思わなかったのである。



「着いたわ。」


「やっとであるか。」


眼の前にはこじんまりとした村が見えるのである。

木の板に書かれているのは『リベラ村』とだけ、寂しい村であるな。



「あ、ここ中立地帯だからスリには気を付けてね。

PKしてきそうなら先手必勝でも良いわ。」


「諒解であるが、物騒であるな。」


「此処は戦場だもの。」




・・・・・・・戦場?











~~~20分後~~~


オカシイ。

何が可笑しいのかなど見れば分かる。

大して大きくもない建物に人が大勢いるのだ。

しかも何か殺気だっているのが大半でその1人にエンプレスも含まれているので非常に怖い。

ロールプレイどこの話しではない。



「・・・エ、エンプレス?野菜を買うなら選ばn」


「黙りなさい。

今並んでるのは全部ただの野菜よ。

首都で買えるわ。」



何なのだ?この執念を感じる気配(オーラ)は・・・。



ポーーン!

《プレイヤーネーム・『鉄鬼』さんの野菜が入荷しました。》



阿鼻叫喚である。

此処は八百屋じゃないのであるか!?


何故か地獄を体現しているかのような修羅場に見えるのである。

昔の大阪のセールタイムのおばちゃんの戦いに匹敵する物がここにある!



鉄鬼さんとやらの野菜は瞬時に売り切れた。


数人が帰っていく。



《プレイヤーネーム・『アンソニー』さんの野菜が入荷しました。》



またも撒き起こる阿鼻叫喚。


そして、半数以上が帰って行った。


ポーーン、ポーーンと何回か出品があったが、今度は修羅場にならず粛々と買われて行った。


もう大半のお客は帰ったのである。

むしろ残っているのは我輩と微動だにしないエンプレス、フルプレートで不動の姿勢を崩さぬ男と猫のような印象の女の子だけである。



20分近く経って猫のような娘が話しかけてきたのである。


「貴女達も・・・私と同じ狙いかニャ?」


「・・・そうみたいね。

褒めてあげるわ。あの『真の野菜』に眼を付けるなんて。」


「褒められる程じゃないニャァ。

『アレ』を一度食べれば直ぐに価値が分かるのニャァ。」



フフフ、ニャハハと笑う2人。



更に待つ事10分間。


ポーーン!


《プレイヤーネーム・『天道蟲』さんの野菜が入荷しました。》


天道の辺から凄まじい勢いで棚に近づき、慣れた手つきで高速にボタンを操作して野菜(エモノ)を掻っ攫っていく2人。


フルプレートの御仁も気圧されている様子。


「ジャスティス!!」


「シュナイダー!!」



裂帛の叫びで荷物持ちを呼ぶ2人の修羅が居た。

慌てて駆け寄ると我輩達に買った商品を次々渡す2人。


そして驚いた。

『ライフル・トマト:400G』『ボム・スイカ:800G』『ヒッキー・ポテト:500G』といった値段設定にである。


「エンプレス!?これ凄まじく高いのであるが!?」


「そういう物よ!諦めなさい!!」


隣でフルプレートの御仁も慌てて


「猫っち!?そろそろ金が・・・。」


「黙るニャ!ギルマスから許可出てるニャ!

むしろ買い占めて来いって言われてるニャ!!」



なんの冗談であるか!?

作者「これが天道さんの主要収入源さ!」

天道「何でこんなに高いかって?NPCに聞いてくれ。」

作者「ちなみにNPCに金額設定を任せると『品質・等級・効果』等を元に値段を付けてくれます。」

天道「ちなみに物産店では金額設定任せないとNPCが売ってくれなくなる。金払って場所を借りて自分で売らないと駄目になるって感じだな。」

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