3面の猛者(植物)達~その1~
さて、ワムゥは呆れて帰ったが、俺には収穫という仕事が残っている。
ケース1~『ヒッキー・ポテト』の場合
さて、この問題植物その1であるヒッキー・ポテトであるが、問題点が3つ程ある。
・その1、蔦が生えていない癖に個別に地面を移動して散布している。
非常に面倒だが1つ1つ丁寧に掘るしか無いのだ。
・その2、自分のスペースとして15cm程の空間を作り、引き篭もっているが、上から踏むと爆発する。
天然の地雷である。
見分け方は周囲の土より1cm程だが地面が盛り上がるのでそれで見分ける。
ちなみに踏んで爆発させると俺どころか偶に出て来る害獣扱いになるモンスターの熊公が即死する威力である。
・その3、他の植物が踏んでも爆発する為、結構間引かれている。
収穫量ががが・・・・。
解決策=地道に丁寧に掘り出すしかない。
爆発しやすいので細心の注意を払え。
・・・・確実に爆発物処理班としての腕が上がっていると思う。
ケース2~『暁顔・覚醒種』の場合
暁顔ってのは何回言ってるか分からないが、言ってしまえば『錬金術に良く使う、少し高い花』だ。
序盤の小遣い稼ぎにも良く使われる。
覚醒種ってのは『肥料をやってはならない』という教えを守らなかった時に生る暁顔である。
本来、暁顔ってのは朝顔に似た花をつける植物アイテムだが、肥料をやって『覚醒種』になっていまうと向日葵のような花になるというふざけた植生なのである。
しかも向日葵になると『根っこを使っての完全二足歩行』『弱パンチ1発で俺が10m程吹っ飛ぶ威力』等を兼ね備えた熊をも軽く殴り殺す植物なのだ。
・・・・コイツは絶対植物とは認めたくないが、覚醒種の方になると錬金術の触媒として原種の方は花1つ使う事になるのだが、覚醒種は向日葵の種1つで同じ事ができるのだ。
つまり1輪で200回くらい使えるようになるのである。
錬金術士NPCに売ると1つ3000Gで売れる為、家計にも助かる物なのだ。
コイツはスタミナが低いので暫く走らせたり激しい動きをさせていればバテて大きな隙が出来る。
そこを狙って首を刈るのだ。
ちなみに俺は鎌を使って首を落としている。
手で千切ろうとしたが、繊維質が絡まりすぎて滅茶苦茶堅かったのだ。
以来、鎌を使っている。
ケース3~『黄昏草・覚醒種』の場合
暁顔と正反対の特徴を持つ黄昏草が肥料を得て覚醒種になった植物。
本来なら蓬に似た植物アイテムだったのだが、肥料を得るとホウレン草のような姿になる。
コイツも大概、植物扱いされないような物なのだが、これも葉の1枚で黄昏草の代用ができるので2500Gの値が付くのである。
ちなみに暁顔が正面から殺しにくるのに対して、コイツはかなりの速度で逃げるのである。
しかも捕まえても日本刀のような切れ味を発揮して抵抗してくる問題児っぷり。
安全に捕まえる方法は、金を撒く事である。
・・・金に苦労している40代サラリーマンのような習性だと思うのは俺が可笑しいのかな?
金を撒いて群がっている時を見計らって脚であり首である根っこを切り取ると大人しくなる。
というか絶望して動かなくなる。
解雇、もしくはリストラを告げられたリーマンか!!
ちなみに根っこはしっかりとした手応えがある癖に綺麗に切れるので楽である。
だが撒いた金を持ち逃げした個体は凄まじく厄介な事になる。
なんと金色に光だすのだ。
そして葉を全開に開いて飛んで行く。
空まで飛んでしばらくして落ちてくるタイプと縦横無尽に飛び回るタイプに分かれる。
縦横無尽の方は暁顔・覚醒種すら斬り殺す存在である。
ちなみに時間経過で腐るか枯れる。
有頂天になって借金地獄で保険金を当てに飛びおり自殺、はしゃぎ過ぎて逮捕されて絶望。
そんな光景が幻視できる俺は捻くれているのかどうなのか?
天道「目が死んでるぞ?」
作者「雨で祭りに行かなかったお客さんが多くて死にかけた」
天道「大丈夫か?」
作者「平気平気、軽く横になっただけで眩暈がする程度だから・・・ダクソでも」
天道「寝ろよ」