焼畑農業だと言ったな!
だが成功するとは言ってない!!
俺は今、地引網のように編みこまれた綱を引っ張って村を歩いていた。
網の中身はゴブリンの死体、それも30匹程もある数だった。
・・・・ちなみに引っ張って来たのは5回目である。
都合、5つのゴブ共の巣を駆逐し、そこに居たゴブ共を残らず殲滅し、情け容赦なく死体を蹴って網に収めてから引きずって晒し物にする。
・・・・ゴブからして見れば、自分はとんでもない悪魔か鬼畜だろう。
ただ生活してるだけなのに巣に押し入り、女子供(居るのか不明)合わせて皆殺し。
かといって死体を尊重もせずにボールのように蹴って網に入れられ、最後にはそれなりの距離を引き摺られていく。
・・・まぁいいか。
どうせ新しく荒地を買えばまたお世話になるかもしれないのだ。
実験材料として十分に役立ってもらおう。
・・・・あ!
実験が成功したらまた狩りに行くからそのつもりでね?
土下座しながら命乞いするゴブが眼に浮かぶようだが、知ったことではない。
自分の畑の前にゴブの塊が見える。
4つの塊は畑の周りの4隅に、山のようになっている。
畑の真ん中に5つ目の塊を作る。
さぁ、準備完了だ!
まずは周りの所に作った塊の処理からだ。
商店で買ってきた『ゴブリンの脂』を死体の山に掛ける。
ここで問題発生。
「くっさぁぁああああ!?」
そう、とんでも無く臭いのだ。
肥溜めの底で腐った糞尿より臭いかもしれん。
藍色の鎧武者が幻視となって現れたがそれどころでは無い。
脚に分厚い布を撒き付けて。
「オラァ!」
上から蹴っ飛ばす。
跳び回し蹴りのようであるが、気分としては超次元蹴球だ。
やってることは死体蹴りであるが。
ある程度拡散させて蹴り撒いたら、適当に蹴って広げる。
それを4隅全て終わったら、真ん中の塊は全方位に蹴り広げる。
広がったら、お待ちかね!
火付けの時間である!!
自分の脚に巻いていた布をはがして、火をつける。
「豊饒を願って・・・・。いざ!」
それを投げ込もうとした時。
地響きが聞こえてきた。
揺れる足元。
「!?
な、なんだ!?」
しばらくして揺れが収まったと思うと
『キュシャァァアアアアアアアアアアアアア!!』
馬鹿デカい蚯蚓のような生き物が俺の畑から飛び出して来た。
「何ですのん?これ?」
畑から飛び出したデカ蚯蚓はゴブリンの死体ごと、土を食っていた。
そして、ある程度食ったら尻から黒くなった土を出す。
最初、これ殺せるのか?とか考えてたが、その光景を見て考えを改めた。
コイツが排泄してるのは臭いからして良質な土だ。
つまり、コイツがゴブリンの死体を食えば食うほど、土も食われる。
その代わり、良質な土を吐き出すのだ。
虫や微生物は再現してないように思えたが、コンナのが居ればソレも納得できる範囲内だ。
むしろもっと速く来いや!
俺の畑に撒いたゴブリンの死体が全て消え、土も全部入れ替わった時、デカ蚯蚓が俺の近くにやってきた。
『おぅおぅ、すまんのう。
年甲斐も無く食欲に支配されてしもうたわ。』
キャァァアアアアアアアアアアアアア!シャベッタぁァァアアアアアアアアアアアアア!?
「お、おう。
それは良いんだが、アンタは『何』なんだ?」
『フム?ワシを知らんのかね?
ワシは『大地の神ガイア』の眷属であり、『豊饒を祝福する者ワムゥ』と呼ばれておる。
この辺に住む者には『大地主様』等と呼ばれているがのぅ。」
なんか大物キターーー(;゜Д゜)ーーーー!!
『ワシにも子供達が居ってのぅ。
本当なら子供達が来るんじゃけど、余りに多いご馳走の匂いに釣られて来てしもうた。』
「ご馳走ってゴブリン!?」
『ん?何を驚く?
アレは『生命の神』様の祝福により生まれ出でた者達ぞ?
ワシらはそれを喰らい、身体の中で魔力に換え、豊饒の土を産む。
つまりはご馳走よ。』
デカ蚯蚓改めワムゥはやれやれと頭を揺らして説明してくれるが、そんな説明要らんよ。
つかなんて物作り出してんだ『生命の神』!!
『ほんじゃぁそろそろお暇しようかのぅ。
あ、そうじゃ。』
言うが早いか、ワムゥは俺に向けて何か吐きやがった!
「うわっ!?何しやがる!?」
『汝に祝福あれ。』
そう言うとワムゥは地に潜り、消えた。
《称号:『貧者の希望』『荒野を征した者』『大地神の祝福』を手に入れました。》
《スキル:『中級農業』が強制習得されました。》
・・・・・頑張ったかいは有ったようである。
だが何であんな汚いので祝福が・・・・。
っていう訳でファンタジー盛り込んだ内容でした~w
作者の知識じゃ荒地からとか無理だしねぇ
ちなみに強制習得は習得条件を満たして無い場合や前提スキルが無い状態でも派生や進化したスキルを覚えさせられる事です
 




