頭の螺子が吹っ飛んだ~俺は現在|狂戦士(バーサーカー)~
更新前にノストラされて驚いた作者
俺が想いついたのは焼畑農業である。
普通なら枯れ草を燃やして、灰を混ぜ込む事で土の栄養にする方法だが、生憎と雑草すら生えてない。
ならどうするか。
鍵は『栄養になる物』『数がそれなりに確保できる物』『用意するのに困らない物』だ。
雑草は確かに外に生えてるが、枯れてないから燃え難い。
木を伐採してくるにしてもこんだけ広い土地に撒く灰を確保するなら相当な数が要る、なにより重い。
なら何がある?
・・・・決まっている。
『ゴブリンの死体』だ。
普通、死体は燃やしにくいかもしれないが、ゴブ共の身体は脂ぎっている。
普通の動物性油脂と違い、燃え易い。
ちなみに殆ど有用な素材が採れないと言ったが、その有用な素材の1つが『ゴブリンの脂』なのだ。
このゲームではランタン等の火を灯す為の脂として使われてる。
ちなみに俺は採ろうと思わない。
想像してみて欲しい。
例えるなら、何年も風呂に入ってないホームレスの身体に付いて固まった脂汗を採れって言ってるもんだぞ?
俺は触りたくも無い。
だが、死体ごと燃やせば極力触らなくて済む!
そうと決まれば、と俺は外に向かって走り出していた。
~モブ視点~
「なあ?本当にこの辺にゴブの巣なんてあんのかよ?」
俺はリア友である相棒に問う。
「北で狩りをしてる連中はそう言ってたよ。」
俺は思わず舌打ちしたい気分だった。
本当なら、首都に辿り着いて『攻略組』なんて呼ばれたかったのだ。
それなのに、熊に良い様にやられて「ゴブリン狩りでもしてろよwww」と煽られこの始末。
腹が立つが、序盤の熊狩りは1週間はプレイしてないと安定しないとまで言われている。
俺の前を歩く相棒は熊狩りを安定してこなすが、流石に6人パーティーを組んでないと次々に沸いて来る熊は対処しきれないと言う。
つまりは俺を連れて熊狩りなんて出来ないと言ってるのだ。
流石に熊狩りパーティーに俺を連れて行くわけにもいかず、こうして俺の手伝いをしてくれている。
「ありゃ?」
相棒が立ち止まる。
「見つかったか?」
数だけは多い癖にテリトリーが決まっているゴブリンを効率良く狩るには巣を見つけ出して叩くのが1番なのだ。
「見つかったには見つかったけど、先を越されてるね。」
耳を澄ませると微かにだが、ゴブ共の悲鳴が聞こえている。
「っち!なんでこの時間帯でゴブ狩りなんてやってやがんだ!
大人しく寝とけよ糞!」
「まぁまぁ。」
あ~やってらんねぇ!
1時間近く探し続けて見つけたらコレかよ!
「折角だし見学して行こうよ。
僕達以外のプレイヤーの戦い方の参考になるんだし。」
「へ~へ~。」
苦笑する相棒に付いてゴブリン狩りプレイヤーの見学をする為に巣に近づいて行くと、そこには
鬼が居た
その鬼が、俺と変わらない位の太さの丸太を振り回してゴブリンを虐殺していたのだ。
「え?」
「は?」
相棒が呆然とし、俺は呆気にとられて気の抜けた声をだした。
オォォォっと吼えた鬼が丸太をハンマー投げのように振り回しているのだ。
ゴブ共は決してトロい訳じゃない。
だが鬼の咆哮を聞いてビビッてるようだ。
明らかに動きが鈍い。
動きの鈍ったゴブ共に容赦など無く、振り回した丸太で撲殺していく。
どうやら完全な丸太ではなく、縄を丸太に結んで、杭を打って止めているようだ。
どう考えても武器ではない『ソレ』を軽々と振り回すその光景を、俺はログアウトしても忘れることができなかった。
~視点終了~
現在、3つ目の巣を殲滅中で御座います。
いやぁ『撲殺丸太君1号』便利だわ!
1つ目の巣を殲滅した時に、スキルを1つ習得しましてね。
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skill:威嚇
class:戦闘技能
習得条件
大声を発しながらモンスターを50匹狩る
アーツ『タウンティング』『シャウト』使用可能
STR+1 VIT+1 INT+0 SEN+0
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このスキルのアーツ『シャウト』
これが便利!
大声を発し、周囲の敵を威嚇するってアーツなんだが、ゴブ共がコレを使えば木偶の坊になる。
そして2つ目の巣の殲滅前に作った丸太君。
コレも凄い便利!!
実際は1つ目の巣に転がってたんだが、今では名前を付けて愛用している。
多分、ゴブ共が薪を作るか何かする為に伐採した木を運ぶ時に縄と杭を使ったんだろう、落ちてた物で作った。
ゴブ数匹掛かりで運ぶような丸太でも、奴隷のように肉体を酷使して鍛え上げた俺には丁度良い武器になったのだ!
さぁゴブリン共よ!俺の畑の肥やしになるがよい!!
俺の頭の悪い殲滅は続く。
ちなみに丸太の重さは30kg程度
・・・・普通振り回せんって




