そんな旨い話がある訳ないじゃないですか~。やだ~~。
さぁ、主人公の農業はこっからだ!
種も買って村の北側に向かって歩いていると何か異質な物が見えた。
遠目から見ると光の塊だ。
昼間にあそこまで光って見えるくらい輝いてるのは不自然だなぁ。
と、思いつつもMAPを確認してみると建造物の表示は見当たらない。
つまりは建造物扱いでない事は分かる。
村長が『空間が歪んだとこ』っつってたしな・・・。
近づいてみると、ソレは光で出来た扉だった。
しかも光で出来てるのに触れるオマケ付き。
・・・ファ、ファンタジーだ。
だが、触れはするが動かない。
思いっきり押してみるが開かない。
引っ張っても無理。
・・・・引き戸?
そんな歌があったような・・・・・。
・・・うん、引き戸でもない。
良く見ると、真ん中のちょっと低めの位置に窪みが存在した。
あぁ、カードが要るってのはこれのせいか。
カードを窪みに近づけると、カード自体が吸い込まれていった。
《カードを認識しました。お入りください。》
光の扉がシャッターの如く上がる。
まさかの下開きである。
「お~!広いな!!」
光の扉を潜った先は広大な大地であった。
おいおい?聞いてた話しと違うんだが?
確かに拠点は馬小屋の方がマシなレベルのボロ小屋だが、土地は広い。
こりゃ遊び甲斐がありそうなこって。
そう思い、土地に始めの第一歩を踏み込もうとした時、見えない壁に遮られる感触と共に、壁にぶつかった。
《この先は見本エリアです。土地を購入してください。》
・・・・見本かよ、ちくせう。
とりあえず拠点だけは手に入ってるようで、普通に入れた。
中は殆ど空っぽで、端末が1つだけポツンと置いてあった。
「なんぞ?これ」
端末に触れてみる。
《購入者登録が完了しました。
この拠点は貴方の物になりました。
この端末から土地や施設の購入が可能になりました。
良い生産ライフを》
流れたメッセージに目を通し、購入できる土地を見てみる。
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土地
・荒地:5000G
・農地:20000G
・肥沃な農地:50000G
・用水路:3000G
・河:30000G
・湖:90000G
・山:50000G
・恵みの山:100000G
・鉱山:500000G
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・・・・・たっけぇぇぇえええええええええ!?
し、資本主義の力の一端を嫌でも理解させられたぜ。
とりあえず農地すら買えん・・・・。
荒地からスタートさせるしかね~のか。
俺はとりあえず、荒地を購入した。
するとMAP画面に良く似たウィンドウに切り替わる。
《土地の位置を決定してください。》
あぁ自分で決定できるのか。
俺は拠点のすぐ前に『荒地』を設置する。
すると外から地響きが鳴り始めた。
「なんだ!?」
そう言って外を見てみると、さっきまで広い土地だった場所は白い空間に変わり、草原だった一角が荒地になった。
・・・・お試し風景は終了しましたってことね。
いいぜ、やったろうじゃね~か!
さらに『用水路』を購入して荒地の横に設置する。
するとまた地響きが起こり、荒地の横の地面が陥没した。
そこに水が流れてくる。
・・・・やっぱファンタジーだわ。
そうして俺は荒地を再生する所から農業をスタートさせなければならないのだった。
・・・・・・・素人に対してハードルの高さが走り高跳びクラスになった瞬間であった。
ドMが咽び泣いて喜ぶドMプレイの始まりである!




