本当の男女平等~等しく接し、等しく殺す~
この話しには『モブ酷』が含まれます。
ご注意ください。
ズクン、ズクンと左腕が痛むのを感じる。
「いってぇ・・・。
くそっ!ステータスウィンドウ!」
痛みを堪えつつステータス画面を開いて自分のHPを確認する。
俺のHPバーは2・5割が減っていた。
爪が軽く腕を抉っただけでコレか・・・。
真剣に鎧を買うことを検討した方が良いのかもしれん。
俺はバッグからポーションを取り出して、自分の傷口に流しかける。
すると傷口から痛みが消え、傷も治っていくではありませんか。
・・・まぁ回復ポーションだからな。
ふぅ、と肩の力が抜けた。
最後の最後でヤバイ場面に出くわしたが、なんとか到着できた。
つかなんで熊が群れてt・・・。
「アンタ!何してくれてんのよ!?」
「なんだ?俺か?」
「そうよアンタよおっさん!」
なんだ?このキャンキャン五月蝿いのは。
「俺が何したって?」
「私が集めた熊にちょっかい出したでしょ!?」
・・・おい待て。
コイツ今、熊を『私が集めた』って言ったか?
「・・・なんであんな迷惑行為を?」
「ふん!呆れたおっさんね!
あの熊達は自然回復力が低いの!
それで軽く攻撃して引っ張って来て、魔法攻撃でダメージを与えた後、村の結界に入ってしばらく待つと森に帰ろうとするの。
当然よね!結界にはモンスターが入ってこれないんだから!
そして帰っていく熊に向けてまた魔法を打って、退いてを繰り返すと簡単にスキルをレベルアップできるの!
それをアンタが邪魔したんじゃない!!
どうしてくれんのよ!?」
・・・・・・・あぁ屑か。
自分オンリーで人の事を考えないタイプだな。
「まぁ怒るなよ?
良い方法があるぞ?それはな・・・・・。」
少しもったいつけるように間を置いて・・・。
「何よ?早く言いなさいよ!」
ちょっと無防備になった瞬間に腕を取る。
「きゃ!?何すんのよ!この変t・・・」
言葉は続かなかった。
俺が腕を取った瞬間、俺を軸に回転し始めたからだ。
本来なら昔の漫画なんかで恋仲の男女がいちゃつくためのメリーゴーランド的なアレ。
それを俺は両手だが、掴んでる女の手は片手だ。
何をするかって?
大昔のオリンピック覇者とも言われ、ネタ的にも有名なアノ人の苗字にちなんだ事ですよ?
MURO○USIである!!
グルングルンと回転を速めて行くと少女の関節から聞こえてはイケナイ音が聞こえる。
そして、回転が安定し、力が乗った所で一気に投げる。
「あぁぁあああ!!」
力を入れるのもお約束。
甲高い悲鳴を上げ、空中を飛んでいる少女は綺麗な放物線を描いて落ちていった。
・・・・離れようとしていた熊の集団の中心部付近に
真ん中の熊にヒップドロップをかましてたな。
おぉ!怒った熊さんの本物ベアハッグだ~!!
ベアハッグ・・・日本風に言えば『鯖折り』である。
抱き付いて締め上げる技で、拘束するか背骨を折るかで攻める力技だ。
あら?更に噛み付いてらっしゃる。
格闘ゲームに出ていたらしい熊さんの動きかな?
おうふ・・・なんかめっちゃ集られとる。
等と見ていると、噛み付かれて2秒後に少女の身体は砕け散った。
トレイン(モンスターを引き連れまわす行為)するんだったら殲滅しろ!
それがマナーだ。
今回の授業料はデスペナで勘弁してやろう。
そうして俺は少しだけ溜飲の下がる思いで村の中に進んでいった。
・・・・10分後。
俺は村長NPC『ソルチョー』さんと会話していた。
「お前さん、土地が欲しぃんか?」
「あぁ、ちょっと農業でも始めてみようかと思ってね。」
「今の時代、農業やりたいって珍しい者もおるんじゃな。」
そういってソルチョーさんがカードのような物・・・・つ~かカードを渡してきた。
「村の北の方に空間の歪んだ土地があるんじゃけど、その札がありゃ自分だけの空間を作る事が出来るみたいじゃけん。
まぁがんばりぃよ?」
そうして俺はカードを手に入れた。
やったぜ!
「あ!そうそう、その札の代金10000Gな?」
・・・・ぐっばい所持金の半分。
MPK・・・・デモ○ズとダ○ソで何回やったっけかな?
ちなみに村は『中立地帯』なのでPKも可能です。
『中立地帯』についてはまたのちほど。
そしてやっと農民としての生活が始まります。
・・・・長かったぜぃ。
 




