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苛烈な

「ナヴィーと言いましたね?まさかこの私と戦闘をするおつもりですか?」

「うん。とっとと死ね。」

「死ぬのはそちらですよ?警告はしました。では!」


 男がそういうと、長剣を構え突進してきた。

ナトは不意打ちを食らったにも関わらず、冷静に見ていた。


「もうおしまいですか?」


 ナトは寸前のところで避けた。

避けたと同時に相手の懐に潜り心臓めがけて短剣を突き刺す。

が、男は間一髪のところで躱して見せた。

男は笑っていた表情を一変させ、驚いた顔をしていた。


「今のは...、あなたどこで教わったのですか?」

「知らない。」


 ナトは短剣に紐を括り付け、応用した戦いに変化させた。


「状況判断能力には問題ないな。ナヴィーは、頭の回転が速い。」

「あの子は一体...。」


 メイドは困惑した表情になっていた。


「ならこれはどうです?」


 男は長剣を地面に突き刺し、詠唱を始めた。


「煌き、光れ、鋭利な刃!」


 男の周囲に無数の剣が顕現しナトに狙いを定める。

ナトは詠唱中に短剣を投擲していた。


「不可、不視、無数の聖霊よ!」


 剣に属性を付与か。

どこの国の者かは知らないが一般人よりかは強いようだ・

短剣が飛んできているのにも関わらず、男は避けようとしない。

男の腹に短剣が突き刺さる一歩手前で空中に突き刺さった。


「なるほど、浮遊している剣に属性を付与だけでなく、同じ魔法で異なった操作を行っているのか。

いわゆる、二重詠唱というやつだな。」

「あの男は本気になればいつでも私たちを殺せていたということなのね...。」

「悔しいですが、そのようですね。」


 空中に刺さった短剣を何とか抜こうとナトは引っ張るが、何かに掴まれているようで取れなかった。


「これであなたは武器を失いました。子供だからと言って私は手加減しませんよ?」

「あっそ、やるべきことは変わらない。」


 一斉に剣がナトに向かって飛んでくる。

それを軽々しく、素早い動きで全て躱して見せた。

これには、男も驚いたようで、


「は、はぁ?ありえない。何をした!?」

「別に、ただ避けただけ。つまらないな。」

「いいでしょう!地獄を見せてやるこのガキ!!」


 ついに男もぷっつんしたのか口調が変化した。

男は地面に突き刺さった長剣を抜き、空に投げ飛ばした。

その行動に後ろで待機してた追手が慌て始めた。

今すぐ避難しろだとか、巻き込まれたら死ぬぞ!とか聞こえてきた。

隣にいたメイドも顔を青ざめていた。


「あ、あれは、今すぐ離れないと!」

「何か起きるのか?」

「あの魔法は、戦争魔法の中で3番目に危険とされる魔法です。

地面を抉り、周りの物質を球に吸収させ、あらゆる属性を広範囲に爆発させながらばらまくという魔法です。」

「へー、聞いたことないや。」

「今すぐ、逃げなくては!」

「どうやって?この結界からは出れんぞ?」

「へ?」


 メイドから間抜けな声が聞こえた気がしたが、気のせいだろう。

女性の方を見ると、口をぽかんと開け、絶望していた。


「安心しなって、要は広範囲に魔法が広がるから、それを防げばいいんだろ?

ナヴィーに後でいっぱい働いてもらうか。」


 この世の終わりみたいなぐらいショックを受けていたが、広範囲というのがどこまでを指しているのかが分からないので、とりあえず大きめの結界を張ることにした。

大体、渓谷を全て囲うぐらいの半球型の結界を張ってみた。

魔力維持でじわじわと使っていくが、魔力瓶を持ってきているので問題ない。


「吸・滅・淵、醜く咲き散らせ。終わりだクソガキ。”烈花”!」


 地面が揺れ、渓谷が崩れていく。細かくなった土や、岩などは地面に落ちる前に男の手にある小さな白い球体へと吸い込まれていった。段々と吸収していくと、白い球体は黒く変色していった。

揺れが収まり、再び静寂が訪れた時、空から剣が落ちてきた。


「木っ端みじんになりやがれ!死ね!!」


 球体に剣が突き刺さり真っ白な光が溢れる。

視界が白くなっていき凄まじい爆風とカラフルな爆発が周囲を包み込んだ。


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