たぬき寝入り
今日は安心安全なしろかえでです！(*^^)v
「萌音～！ プリン！二人で食べろってさ！」
有無も言わさずドアを開ける大樹も大樹だけど……いくら幼馴染とは言え、うら若き乙女の部屋に男の子を送り込んで来るママもどうかしてる！！ それが好物のプリン付きであっても！！
ああ！！でも……今、大樹が手に持ってるプリンって！！
きっとパパが出張みやげで買って来たナチュ〇ルカフェのりんご味プリンに違いない！！
「おばさん～！ 萌音、寝てるよ～！」
どうしよう！！無遠慮で食い意地の塊みたいな大樹の事だ！！
私の分までプリンを貪り食うに違いない！！！
直ちに起きなければ！！
でも……
でも……！！
でも……！！！！
ヤバい！できない！クソ恥ずかしい！！
だって！
だって！！
よりによって！！
大樹の事を考えて……
悶々としてたんだもん！！
ダメ！！
やっぱり起きれない！！
今、布団を引っ剝がされて
こんな寝姿見られたら
私、生きて行けない！！！！
トントン階段を上る足音がする。
ママの足音だ！
ヤバい！！
ガサ入れされる！！！
「萌音、爆睡しててさ」
「この子、昨日も夜更かししてたから……これは懲罰対象だな！ 大樹くん！プリン、萌音の分も食べていいよ！」
エエー！！！！！！
でも起きれない！！！(T_T)
「それはやめとく！アイツの食い物の恨みは死ぬほど怖いから」
大樹！！ てめえ！！！！
私がこんなにも想っているのになんて言い草！！！！
「いっそキスでもしてあげたら！ この爆睡姫に」
「いや！それこそ無理っしょ！！」
「じゃあさ……」
ママが大樹を部屋の外に引っ張り出す気配がする。
きっとママが悪だくみして大樹をそそのかしてるんだ。
どうしよ！！
私、今、めっちゃ貞操の危機？？！！ それも親公認で！！
私、もう心臓バクバクして布団の中でギューッ！と身を縮めていたけど……二人はなかなか戻って来ない。
どうしたんだろう？？
私の頭の中は色んな事がグルグルして
とうとう我慢が出来なくなって
そお～っと！お布団の隙間から外を窺おうとしたら
ピトッ！とキスされた！！
「ひょおええええええ！！！」って絶叫したらキスの相手はりんご味プリンで……
思いっ切り二人に笑われた！！
私の甘い恥ずかしいキモチはすっかりブチ壊しにされたけど……唇にはハチミツとりんごの甘い味と香りが残った。
おしまい
いいなあ！！
こーいう甘酸っぱいの！
経験したことないけど(/_;)
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