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目に鑑定眼が与えられそのおかげで精霊が見える
精霊を買い干していく
目使えなくなる可能性
メモ
ここはどこだろうか、僕は気づいたら真っ白な空間にいた。そこは上下左右も曖昧で自分がたっているのかすら分からない空間だ。記憶も曖昧だが、確か強盗に刺されてそこでハッと思い出す。
「母さん!」
周りを見渡すが何も無いし、さっき刺された傷もどこに見当たらない。
「夢だったのかな?」
キツネにつままれたような気分になっていると唐突に声が聞こえた。
「ざんねんながら夢じゃないよ」
そいつは突然現れた。胡散臭いほどに真っ白な服を着た真っ白な髪の長身の男が気持ち悪いほどにキレイな顔で笑っている。
「ここはどこで、あなたはだれですか?強盗はどこに行ったんですか?母は無事なんですか?」
そいつの格好はとても異質だったが今はそれどころではない。僕がまくしたてると彼は困ったように笑いきれいな声で話し始めた。
「取り乱すのはよく分かるけど、1回落ち着いて聞いてね。君の家に強盗が入ったんだよ。君は後ろから刃物で刺されて死んだし、君が守りたかった母親も死んだよ。そしてここは死後の世界さ」
「そ、そんな、何で僕の家が・・・」
「見させてもらっていたけど、それは君の家が暗くて強盗も入りやすかったんだよ。君は気づいていなかったみたいだけど君が引きこもってから母親も元気をなくして部屋に電気を付けないで過ごすことも結構あったんだ。だから狙われたんじゃないかな?」
知らなかった、自分が学校に行けない引け目で母との会話も最低限で終わらせていた。確かに最後に見た母は記憶よりとてもやつれていた気がする。
「結局全部俺のせいじゃないか、友達に陰口を言われたくらいで引きこもりになって母に迷惑もかけて・・・父親に対抗するために鍛えていたのに結局役立たない」
僕は父が母に暴力を行ったあの日からたった一人の肉親を守ろうと鍛えていたのに何も変わらない自分に腹が立つ。
「そうだね、そしてその強い後悔が私を引き寄せた。申し遅れたが私は転生を司どる神で○○という。君みたいな強い後悔を持って死んだ若い魂を転生させに来たんだ。」
「転生?だったら母さんを!」
僕はそこで気づいて言葉が途切れる、こいつは今若い魂と言った。母さんは今年で40歳で若くはないし強い後悔を持っていたとも限らない為、こいつの転生の条件には当てはまらない。
「気づいたのだろうけど君の母親は転生できないよ彼女の魂はもう消滅に向かっている。だけど君にはチャンスがある!深い後悔を持って死んだ君には異世界でもう一度生きる権利を上げよう!君は引きこもってからそういう類のゲームや本を読んでいただろう?」
「確かにそういう話は分かるけど・・・大切なものも守れなかった僕にもう一度生きる意味なんて・・・」
神の言う通り僕は引きこもってからは、自分が気持ちよくなれる作品を見たりして現実逃避をしていたが、想像するのと実際に自分がなるのは全く違う話だ。
「んー君は真面目だね。」
転生神はそうつぶやくと目をつぶって何かとしゃべり始めた。やがて眼を開けると優しい表情をしながら語り始めた。
「君は運がいいね。君の母親の魂が消滅する前に話を聞けたよ」
「!は、母は何て言っていましたか?」
思わぬ情報に僕は食い気味に聞いてしまう、月明かりに照らされて少し見えた母の表情が少し困ったような顔をしていたからだ。
「君の母親はとても心配していたよ?君は責任感が強くて、優しいけど親にも心を開いてくれなくてもっと自分に正直に生きてほしいってさ」
「自分に正直に生きる・・・」
「君の母親はずっと気にしてたんだよ?子供の頃から負担をかけてしまったせいで、正直になれず無理に笑う君のことを」
「別に負担なんて!」
そうはいったものの昔からしっかりしないといけないと子供ながらずっと気を張っていたのは事実だ。
「バレてたんだ、上手く隠していたつもりだったのに、ずっと心配かけていたなんて・・・僕は本当にどうしようもないほどに息子失格だ。」
神はやれやれとかぶりを振ると少しめんどくさそうに口を開いた。
「君の母親は君のそういう何でも自分のせいにして、一人で背負い込むところを心配していたんじゃないかな?そのままでは心配していた母親がかわいそうだよ。新しい世界では自分に正直に生きてみればいいんだよ!亡くなった母親の分まで長く生きて!守りたいものを守れるほどに強くなって幸せに生きればいい!それが君にできる唯一の親孝行じゃないかな?」
この神は見た目からして胡散臭くて本心では何を思っているのか分からないが、今言われたことは不思議と胸にすとんと落ちた。
「確かに・・・言う通りですね、分かりました、僕・・・いや俺は転生した先で前世より正直に生きて守りたいものを守れるほどに強くなって前世の分まで幸せになる。」
神は俺の話を聞いて満足そうにうなずいた。
「いいね、それが君の素か。そのくらいやる気があるほうが転生させる身としても安心だね。じゃあ早速異世界に転生してもらうよ!魔物がいるし魔法がある異世界だけど、今の君ならきっと後悔なく生きていけるはずだ。ありきたりだけど便利な力を一つ上げるよ。転生してすぐに死なれたら寝覚めが悪いしね!」
神はそう言いうと手を振りかざす。するとまばゆい光が一瞬見え思わず目を閉じる。恐る恐る目を開けるといつもより視界がはっきりと見える。まさか視力がよくなっただけ? 疑いながらも顔を上げるとニヤニヤ笑う神がいる。徐々に胡散臭く見えてきたその顔の上に???が見える。
「体に変化はあるかい?」
「いつもより視界がはっきりしてて神様の頭の上に???が見えます。」
神は満足げにうなずくと説明を始めた。
「成功だね。その力は鑑定眼といってね。自分が知りたいと思いながら視たものの情報を分かりやすく見せてくれるものだよ。試しに見たいと思って自分の体を見てごらん?」
神に言われた通りに自分の体を見てみるとまた頭に情報が浮かんできた。
実
状態 健康
天恵 鑑定眼
「これが鑑定眼・・」
すぐに強くなれる力ではないが、異世界なんて分からないことだらけのはずだ。強くなるためにも簡単に死ぬわけに行かない俺にとってもこの力はありがたいものだった。
「世界で上位の存在には通用しないけど君が行く世界にはそんな存在一握りしかいないから大丈夫だよ。そろそろ異世界に行ってもらうね。どこに転生するかはわからないけど君の幸せを祈っているよ」
神が手を叩くと世界が黒く塗りつぶされていく。神にこれまでの感謝を伝えようとしたが俺はそのまま意識を失った。




