メンタルつよつよ赤ずきん その5
コンコン
「こんにちは!入ってもいーい?赤ずきんよ」
ドアをノックして可愛らしい声を張り上げていう赤ずきん
「ああ、いいよ、いらっしゃい、赤ずきん」
…ギィ
暗い部屋の扉が開く
「ああ、赤ずきん。老婆に陽の日差しは眩しすぎる。早く戸を閉めてくれないかい?」
「わかったわ、すぐ閉めるわね。ここにお見舞いのワインと食べ物、おいとくね。あら?今日はいつものをやってくれないの?」
丸いテーブルにお見舞いのカゴを置いて、赤ずきんはおばあさんに変装したオオカミに話しかけます。
「い、いつもの?」
動揺するオオカミ(ネグリジェ)
それはそうです、オオカミ(ナイトキャップも着用)は2人のやりとりなんて全く知りません
「そうよ、いつも私がくるとやってくれるじゃない、あの名乗り。私が大喜びするからって」
オオカミは赤ずきんがお見舞いに来たのを思い出しました
「ゴホゴホ、見ての通り、具合が悪くてね、そんな場合じゃ…」
と、取り繕います
「でもこの間もやってくれたじゃない。それに病気もだいぶ良くなってきたのに、おかしいなぁ…」
「あ、ああ…寝起きで寝ぼけているようだ、頭がぼんやりして思い出せないよ」
「大丈夫よ、忘れないように枕元の手帳に名乗りをメモしてあるじゃない。私、いつもたのしみにしているの、お願い、今日も聞きたいなぁー」
両手をギュッと握ってとびきりの甘えたポーズでおねだりする赤ずきん
キュンとしたオオカミは、仕方なくお願いを聞くことにしました
「仕方ない…えぇと、手帳手帳…、ああこれだね。よし、コホン…」
一つ咳払いをし
オオカミは布団を跳ね除け、ベッドに立ちあがり大きな声で名乗りをあげます!!
「はははは!赤ずきん!よく来たね!この枯れ専andネグリジェ大好きおばあ変装趣味の変態オオカミの部屋へ!!!
…え?」
「はい、オッケー!お疲れ様でしたー!
っと、いやー、いいの撮れたなー!」
♪ピポン
満足げにそう言うと赤ずきんはカゴの中にあるカメラ付きのポイズンアップルフォンを操作しニヤリとオオカミに画面をみせつけました