フィジカルもメンタルもつよつよ赤ずきん その2
こうして意気揚々と家を飛び出した赤ずきん
道中街の人と出会します
「あ、赤ずきんさん!押忍!今日はどちらに?」
大柄で屈強な男性が頭を下げて声をかけてきました
「おう、ボブじゃん、その名前で呼ぶのやめてよ。しゃーなしでこれ着てんだからさー。今日はばーばんち。お見舞いにいくの」
「ああ、おばあさんの家でしたか。少し遠いので大変ですね!それはそうと、最近この辺りに悪いオオカミがうろついているようですよ?気をつけてくださいね」
「気をつける?誰に物言ってるかわかってる?みくびらないでよね」
「ははっ!そうでしたな!それではお気をつけて」
そう頭を下げ見送るボブに軽く手を挙げ、赤ずきんは街を後にします
『名前を呼んではいけないあの人』
その喧嘩っ早さとめちゃくちゃな強さで全ての強者を退け、たてついたものをみな半殺しにした経歴から、一時街の人からはそう呼ばれていましたが、あまりに不便なので彼女の被っているずきんから、『赤ずきん』そう呼ぶようになったそうです
赤ずきんが街に近づいてくることを「コードレッド」と秘密裏に呼び
最大の警戒をしていました
気に入らない奴らを次々とボコしていった返り血で髪が汚れるのを嫌った赤ずきんの母親が、髪をまもるように、と彼女に手作りで作ってあげたずきん
それは最初は白かったが、その返り血の多さでいまや真っ赤に染まった…という都市伝説が実しやかに囁かれているのでした