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籠の小鳥たち  作者: 猫林かおる
17/21

もしかして、いじめられてる?

二学期になって一週間経った。


アリサはあることに気がついた。


最近クラスメイトのリリカは午前中、職員用のスリッパを履いている。

午後になると上靴を履いていることもあるが、

上靴をよく見るとグッショリ濡れていたり、泥で汚れていたりする。

今日は新品の上靴を履いている。

体育の授業の前後、更衣室にいない。

「なんか変じゃない??まさか、いじめ……?聞いてみようかな」

アリサはそう思ったがリリカが自分の事を嫌っている事を知っていた。

自分がリリカに尋ねても正直に答えないと思った。


「和歌子ー。今日、部活ないよね?

放課後時間ある?ガストに行かない?話したい事があるんだよね。」


「いいよ。なんかあったの?」


「うん。それで……よかったらさ、岩本さん(リリカ)も誘って欲しいんだよね。

最近、二人仲良いよね。あ、誘う時、私が行くって言わないで。

私が行くのわかったら来ないと思うんだよね。」


「うん……わかった。」


「ありがとう。放課後、二人で先に店に行ってて。私やる事があるから。」


アリサは放課後、どうしても確認したい事があった。

放課後、和歌子とリリカが下校したのを確認してアリサは玄関にある掃除ロッカーに入った。

ロッカーの隙間からは靴箱全体がよく見えた。

「私、何やってんだろう。でもこの方法しかないんだよね。

私の推理では絶対に放課後なんだよね。

朝は私が一番早く登校してるから無理。」

同じクラスの生徒が全員下校した。

玄関には誰もいない。

アリサは待った。かなり長い時間が過ぎた気がした。


「来ない。駄目か……頑張って待ったのに。和歌子に言ったら絶対に笑われる……

もう、帰ろう!」


アリサが諦めてロッカーから出ようとした時、外から誰か来た。


『あー!来たーーー』


アリサは心の中でそう言って、小さくガッツポーズをした。


『え、なんで?マユ……??』


玄関に現れたのはマユだった。

マユは周りに人がいないのを確認してリリカの靴箱から上靴を取り出し、どこかに持って行こうとしている。

アリサはロッカーから飛び出した。

バン!!!扉が激しい音を立てて開いた。


「マユ!!何してるの?!」


「キャーアアア!!!!」


マユは叫んだ。死ぬほど驚いている。


「ま、間違えただけよ!自分の靴箱と!!」


そう言って、リリカの上靴を元に戻し、玄関から逃げていった。


「間違えたって?そんな訳ないよ……マユ……どうしよう。

和歌子とアリサになんて話そう……」


アリサは悩みながら二人が待つガストに向かった。

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