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籠の小鳥たち  作者: 猫林かおる
10/21

和歌子とリリカ


 夜の8時過ぎ。


 リリカがお弁当屋さんの自動ドアを入ると目の前に和歌子がいた。

「あ、若君……」


「あ、アントワネット……」

 目があったがお互い何となく気まずくて、それ以上何も言えなかった。


 リリカは店の注文カウンターに向かった。

「日替わりベジ弁当1つとシャケおにぎり1個と梅おにぎり1個」


「かしこまりました。少々おまち下さい。いつもありがとう。今日は二人できたの?」

 クラスメイトのマユの母、裕子が笑顔でそう言った。


 注文が終わったリリカはカウンター横の和歌子と少し離れた椅子に座った。


「ここ、よく来るの?」

 先に話しかけたのは和歌子だった。


「あのさ、なんかゴメン。岩本さんがアントワネットなんて呼ばれているの私のせいだよね。知らなかったんだよ。ゴメンね。」


 リリカは和歌子にそんなふうに謝られると思っていなかったので驚いた。


「和歌子さんのせいじゃないよ。私、空気読めなてなかったから。ごめんなさい。一人でいるの慣れてるから、何とともないから気にしないで」

 

「慣れてるって……?ん……じゃ、仲直りって事でいいのかな?あのさ、友達になってよ。」


「え?いいの?私といると嫌われるでしょ?」


「ん……多分、大丈夫でしょ。」


「私……また何か、空気読めなくて嫌なこと言うかもよ。なんで?」


「だって、わざと嫌味言ったわけじゃないじゃん。よくわかんないけど、私が知らない世界を岩本さんが知ってるだけって感じがする。」


「ありがとう。それからごめんね。なんか、次、変なとこあったら教えてね。」


「あ、それは、アリサに任せるわ 。」和歌子が笑った。


 

「ちょっと、無理かも……」リリカは苦笑いした。

 

「ごめん、嘘だよ。アリサは見た目ギャルだけどクラスで一番優しくて良い子だから。怖がらないでね。私の命の恩人。」


 弁当を受け取った二人は一緒に店を出た。

 

「若君、あの、聞いたの。皆んなが話しているのを。一人暮らし?これから家に帰るの?寂しくない?」


「うん。おじいちゃんさ、ずっと入院していたから一人は日常かな。慣れてる。」


「あの、、よかったらうち来ない?ご飯一緒に食べようよ。私も一人なの!」


「え、いいの?」


 和歌子はリリカの部屋に行くことした、


ちょうどその時、看板を片付に店から出てきた裕子は言った。


「夜遅いから二人とも気をつけて帰ってね。」


 




 



 

 

 

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