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籠の小鳥たち  作者: 猫林かおる
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若君とメロンパン

七月

ある地方都市の中学二年生の教室。

どこにでもありそうなごく普通の学校のごく普通の教室。


生徒達が帰宅する中

和歌子は教室の一番後ろの席に座ってメロンパンを美味しそうに食べていた。

部活前ひどい空腹になるらしく連日放課後に菓子パンを食べるのが日課になっていた。


「一条さんて、毎日菓子パンばっかり食べてるよね?

それ…添加物だらけだから身体に悪いってママが言ってた。」と声がした。

和歌子が振り返えるとそこにいたのはクラスメイトのリリカだった。


和歌子は一瞬、心の中で

「何言ってんの?どーゆーこと??この子、なんか面倒かも」と思ったが何も言わず黙ってメロンパンを食べ続けた。


「そういうこと言うの感じ悪いよー!やめてよ!」

黙る和歌子の横で声をあらげたのはアリサだった。


リリカは一瞬ビックリした表情をしたが何も言わず

教室から出て行った。


アリサは怒り気味で

「ああいう事を言うからアントワネットは嫌われるんだよ

メロンパンが何で身体に悪いの?わけわからん」


『アントワネット』??


和歌子はその日初めてリリカがクラスの女子からアントワネットと呼ばれていることに気がついた。


『アントワネット』


そういうアダナで呼ばれている女子中学生だと

絶世の我儘美少女とか深窓の令嬢と思われがちだが岩本リリカの外見は


『親方』または『キティちゃん』


リリカは太っている訳ではないが

妙に落ち着いていて貫禄がある。

色白で丸いポチャポチャした体型。

もしもサンリオが相撲取りキャラクターを出したら多分こんな感じなんだろうと思える可愛い外見だった。


メロンパンを食べ終えた和歌子はアリサを指で突いて


「ねえ、アリサ。なんで岩本てアントワネットなんて似合わない名前で呼ばれてるの?」


アリサは少しあきれた顔をして言った。


「原因はあんただよ…若君。和歌子、

前にあんたんちでマカロン食べた時のこと忘れたの?」


「マカロン…

マカロン。マカロン?何だっけ?

マカロンてお菓子だよね?」


悩む和歌子を見ながらアリサは苦笑いした。


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