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いきなりダンジョンマスター   作者: ウメヤン
1/3

初めの一歩が大事なんだ。でも一歩目は大体間違う。

 宜しくお願いします。読んで頂けたら大変嬉しいです。プロットは出来ていますので完走しますが、推敲よりも更新に重きを置いていますので、誤字や意味不明などあれば、是非教えて下さい。

 見た事がないスピードでカウンターが上がっていく。


「同接が10万を超えたぞ、俺達も一気にスターダムにのしあがったな」


「ダンジョン攻略のLive中継は世界中からアクセスされるから、まだまだ伸びるはずよ、シロウ、私達をちゃんと撮ってよね」


興奮が止まらない4人は、シロウの構えたスマホに代わる代わる映ろうとするばかりで一向に進む様子がない。容姿は悪くないが良くもない4人組を映した所で視聴者には面白みはないだろう。駄目押しをするかのように4人が名前や経歴を話し始めてしまった。


「そろそろ進んだ方がいいかと・・」


シロウは20万を超えた所で伸びが鈍化するカウンターを見ながら声をかけた。『新ダンジョン』に『Live中継』と刺さるワードが並んでいても、主役がこれでは見る側は直ぐに接続を切ってしまう。


「最後に俺はこのパーティ『始まりの理』のリーダーのアキトだ。これが俺達の第一歩だから、みんなしっかりと目に焼き付けてくれよ」


最後って言ったよ、この人。

俺はいいよと断り文句を考えていたのに。

全く期待通りの人達だ。


気が済んだのか、それともコメントに書かれた『さっさと行け!』に同意された数の多さが目に入ったのか、4人がやっとダンジョンを進み始めた。


ダンジョンの中は明るく一本道が続いている。シロウの少し前を歩く彼らは慎重に進んでいる。

こんな事なら直ぐにエンカウントさせるべきだった。彼らの自己主張で動画が間延びしてしまった。本来は新ダンジョンに何が待ち受けるのか、といった緊張感のある工程だったはずだが、大声で散々自己紹介した後だ、物音を立てない様に進む彼らが滑稽に見える。



前方で何かがキラッと光ると、ボールが弾む様にこちらに近づいて来た。アキト達の前に姿を現したのは金色に光るスライムだ。


「ご、ゴールデンスライム!」


いい反応。金色に光るモンスターは金を内包している。しかし、発見報告が少ない上に強いモンスターが多い。倒せば一攫千金なのだが返り討ちにあう冒険者も多くいる。

こいつはゴールデンな上にスライムだ。誰にとっても垂涎のモンスター。


シロウはゴールデンスライムを画角にいれたまま、サブタイトルにゴールデンスライムに遭遇!と付け加えた。

見せ場。後はこの4人がそこそこ戦えれば取れ高は十分だ。アキトのパーティ構成は戦士2人に魔法使いとヒーラーとバランスは悪くない、戦士2人で囲み魔法で攻撃すれば、そこそこ戦えるはず。


「ウオオー」


雄叫びを上げながらゴールデンスライムに迫る4人、、。まあ、思ってたよ。途中からこうなるかもって、でも魔法使いやヒーラーまで杖を振り上げて殺到する事はないだろう。


無茶苦茶に振るわれる剣や杖を華麗にかわすゴールデン。


『倒して良い?』


ゴールデンはゴールデンで困っている様だ。念話で指示を仰いできた。


『ダメに決まってるだろう、あと3分位は粘れよ』


同接のカウンターは50万を超えている。動画はシリアスものからコメディものに方向転換を余儀なくされているが、ヒーラーまでもが杖を振りかざしてゴールデンスライムに殺到する姿、これこそがリアルなのかも知れない。

コメントが滝の様に流れている。『囲んで魔法だ』『盾で退路を限定しろ』と真っ当な意見もあるが、『そこだ!』とか『いけ!』と一緒に興奮しているコメントがほとんどだ。


終わり方は決まっている。逃げるゴールデンスライムに追い縋る彼ら。その前に現れる巨躯のオーク。アキト達はオークの一撃をからくもかわして、ダンジョンから出る。


『そろそろ良いぞ。それとオークくらいでは突っ込んでくるかも知れない。もっと大きなモンスターで頼む』


シロウの念話に反応して、ゴールデンスライムがスルスルと間をぬって逃げていく。追い縋るアキト達、前方は少し暗くなっているが、金色がわかりやすい目印になっている。


不意に金色が左に大きく飛んで消えた。目を凝らせば左に脇道がある。少し遅れて飛び込んでいくアキト達。スマホを手にそれを追いかけるシロウ。


脇道は暗く、金色の目印も見えなくなってしまった。「クソッ」と項垂れるアキト達。意外だ、更に追いかけると思ったのに。でも追いかけない理由も明らかで、彼らは肩で大きく息をしてへたりこんでしまった。要は体力が尽きたんだ。

そりぁやたらめったら武器を振り回した後の全力疾走だ。疲れただろうが、まだ演出は残っている。ここから更に全力疾走だ!


「何か来る、、」


ズズッと這いようる様に暗がりから何かが近づいている。見えなくてもわかる、それはとても大きな何かだ。

強者とは戦わない。それが冒険者として生きていく鉄則。彼らは見事にそれに則った行動を開始した。

「逃げるぞっ」と誰かが言ったわけではない。加えて、体力が尽きたはずなのに、、アキト達は見事な程に一斉に駆け出した。



読んで頂きありがとうございます。お時間があるときに続きを見てくれたら幸いです。

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