2 My dear
タイトルの話に戻ろう。
最初に頭に浮かんだタイトルは、『腸活日記』だった。
だけどそれじゃあまりに直接的過ぎて、しかもなんだか専門的要素を読者に期待させてしまいそうで怖い。
『〇〇〇〇ガッテン』を見る感覚で読んでもらっちゃ困る。
どっちかというと『●2時間』みたいな視点でぼーっと読んでいただきたい。いや、目に入る程度で。さらっと。深く考えずに。突っ込もうとか思わないで。「そういう人もいるんだー」って感じの生温さでお願いしたい。
じゃあそれなら、ちょっとぼかしたらいいんじゃない?
腸を超に変えるとか。英語で腸ってなんていうんだろう。
でも聞きなれない英単語じゃナニ?ってなるし、うーん。排便って・・・便って・・・ベン?
ベンといえばマイケルジャクソン・・・。
毎日気になる存在。とってもダイジ。
そこで降りてきたのがMy dear そして、なぜかベンジャミン!
フランクリンとまちがえられるかなあ・・・。
ま、いいや。なんか気に入ったし。
腸とか便とか書いた時点で、読むのをやめた読者が7割。
そんなところかと私は想像している。
はやっ。
本文まだ書いてないのに、やめるの早っ!
長ったらしいタイトルが好まれるという現象はつまり、「中身を読む前に読みたいかどうか決めたいから手短にどんな話か表示してほしい」と読者が思っているせいかもしれない。
投稿サイトでは結構細かくジャンル分けが表示されているはずなのだが、「何なら冒頭読んで聞かせてよ」くらいのわがままが選ぶ側には許されているのかもしれない。
印刷物にならないと他人の目に触れない昔なら、そこまでに数が絞り込まれていたけれど、今の世の中、とにかくネットに上がったものは人目に触れてしまう。
だけど多すぎて人目に触れないものもたくさんある。
人目に触れるように(つまり、検索にひっかかるように)ネットの世界に放出するにはやはり、タイトルに多くのキーワードを含ませる方が得策かもしれない。
その点でいうとMy dear Benjamin! はアカン例である。
だけど「腸活日記」とか「排便物語」の作者になるよりも、「My dear Benjamin!」の作者になりたい。結局、タイトルフェチは読者にやさしくないタイトルしか付けられないのである。