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異界警察   作者: kurokoroko1101
2/13

路地裏にて

            ♦


「やめなさい、警察だ」


路地の裏で、天使の若者が、悪魔の母、子に牙をむいていた。

残ったクロノはそこに割って入った。


「路地裏に住んで、金を恵んでもらうしかない薄汚い悪魔を糾弾してなにが悪い?

この都市からでていけ!、そしてスラムへ帰れ!」

若者はそう捲し立てた。

これがこの世界でよくある、典型的な悪魔差別の実態であった。


母、子ともにとてもおびえた様子だ。


ー激高している若者を刺激して、母、子に危害がおよぶことは避けたい

クロノはそう思った


「その人達があなたになにをしたのか?決してそのようなことはないはず。今一度落ち着いて-」


「おぉ、おまえも悪魔じゃねーか、警察などどうやって、、、、」

若者は少し驚きを見せた。


-隙を見せた!


クロノはその瞬間、腰にさしていた小型の銃のようなもの、

”トリガー”を取り出し、若者に向かってはなった!


「くっ」

若者は唸った。

若者は無数の光りの線によって手足を拘束され、まるで網をかけられたように動けなくなっている。

トリガーとは相手の動きを拘束するための警察の道具だ。時間がたてば拘束は解ける。


そのまま、悪魔の母子を若者から引き離し、更に入り組んだ路地に母子を案内した。


「もう大丈夫です。」

悪魔の母子にクロノがそう声をかける。


「有り難うございます」

母親が震える声でお礼をいい、子供は恐怖をこらえていたのか泣き出した。


「更に奥の路地に悪魔の集まりがあります。そこには、天使とつながっている行商の悪魔がいます。そこに行けば安全です。」


「しかしどうして大通りにこのような場所に?大都市では悪魔差別が横行していますし、危険だ。」

クロノは母子に尋ねた。


「はい、私達は最近天使の夫を失いました。それまでは夫が、周りの人たちと良好な関係だったために、悪魔の私たちもこの都市に住めていたのです。わたしたちはあまり表に顔をださず静かにくらしていましたから・・・目立つこともなかったのです。」

母親はそう答えた。


「まさか・・・」

クロノは驚いた。天使と悪魔が夫婦になるのは並大抵のことではない。この世界では禁断の愛とさえされていた。


「夫は差別主義に反対の者でした。スラムにも何度か訪れ、子供達に食べ物を恵むような人でした。」

母親はクロノの驚いた表情に気づきそう返した。


「なるほど・・・、ひとまず悪魔の集まりまで案内しましょう。」

クロノは二人を深い路地まで案内した。

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