幼い約束
新連載です!既に書きあがっているので、予定では今日中にさくさく更新していくつもりです。楽しんでいただけたら、嬉しいです!よろしくお願いします!
王城の庭園の中。
白亜のフレームに象られたガゼボの中で、幼いアルベルトは跪いて同じく幼いサクラの小さな手を取った。
「大きくなったら、僕のお妃様になって。必ず、サクラのことを幸せにするって約束するから」
幼い約束。
ただ、アルベルトもサクラもこの国では上から数えた方が早い、高い地位に生まれついた。
子供の戯言では終われないのだ。二人は互いにそのことがよく分かっていた。
サクラが彼の手を握り返し、そのまま膝を着く。ふわりと薄桃色のドレスのスカートが、花びらのように広がった。
「サクラ」
アルベルトの指先に触れるだけのキスをして、彼女は頬を紅潮させる。
「喜んで、アルベルト殿下」
その返事を聞いて、アルベルトのまろい頬に喜色が浮かぶ。
「ありがとう!サクラ……世界で一番幸せにする、大切にする……!」
ぎゅっと抱きしめられて、サクラも嬉しくて抱きしめ返した。
サクラも精一杯、アルベルトを幸せにする為に頑張ろうと思った。同じぐらい大切にして、二人で一緒に幸せになるのだ、と。
遠い昔の、幼い記憶。
だと、いうのに!