主人公の性質を人殺しに最適化しよう
先ほど、ほとんどの人間は殺人に抵抗があると書きました。逆に言えば、ごくわずかな人間は訓練しなくても殺人を躊躇しないんです!
じゃあ主人公を選ばれしナチュラルボーン殺し屋設定にすれば、面倒な訓練の話や葛藤の心理描写をしなくても、説得力ある小説が書けるのでは?
具体的にはどんな人なんでしょう?
【スウォンクとマーシャンの第二次大戦の研究によると、戦闘中の兵士の二パーセントが〈攻撃的精神病質者〉の素因をもっている。かれらは明らかに殺人に対して常人のもつ抵抗感をもたず、戦闘が長引いても精神的な損傷をこうむることがない。ただし〈精神病質者〉、現代ふうに言えば、〈社会病質者〉という語にまつわるマイナス・イメージはここでは適当でない。戦闘中の兵士にとっては、これはおおむね望ましい行動様式なのだ。】(294p)
わずか二パーセントの人間は、罪悪感を持たずに人殺しになれるそうです。
ただし、殺人で快楽を得るわけではなく、強制されたり正当な理由がある場合、ハリウッドスターのように戦闘において冷静でいられる能力だそうです。
やっぱりリーアム・ニーソンじゃん。
ジェイソン・ステイサムじゃん。
【第二次大戦の撃墜王たちに唯一見つかった共通項は、子供のころ喧嘩ばかりしていたということだったという。いじめではない。いわゆるいじめっ子は、まともに喧嘩のできる相手は避けて通るものだ。ここで言うのは本物の喧嘩である。校庭での喧嘩で子供が感じる怒りや屈辱を思い出すなり想像するなりしてほしい。】(297p)
かれらは狼の出現を密かに期待する牧羊犬だと喩えられています。
つまり、間違っても友達いない暗い学生とか、社畜のガリとか、無職のデブをこの設定にしてはいけないです。
格闘家とか傭兵を主人公に据えれば説得力あります。
そしてヴィンランド・サガみたいな異世界に転移させて無双すればいいのです。
このタイプの人間は、待ち伏せや不意打ちでの人殺しが得意だそうなので、そんな感じで。
え? そんなテンプレ外しランキング乗るわけない?
すみません、これはなろう受けする主人公を考察するエッセイではないので……。