そろそろいろいろなものを予め開発していろんな状況に対応できるようにしておこうか。
さて、航空母艦”龍驤”によって基地への空軍の空襲はなんとか防いだが、爆弾に被弾してしまったりなどもあったことだしいろいろ開発は進めないと駄目だ。
大湊へ戻ったあとは、いつもどおり、士官用食堂で新鮮な海産物や野菜などをたらふく食べて、ゆっくり入浴を行い、ぐっすり睡眠をとって疲労を取り除いた。
朝日の眩しさに目が覚めたときには頭もスッキリしていた。
その後、朝食を取りに士官食堂に行くとすでに食事をしていたくすくす笑う美月くんの姿があった。
「ようやくお目覚めですか」
「ああ、なんだかんだで疲れていたらしい」
「では起き抜けの味噌汁で、体の目覚めを良くしてください。
温かい飲み物を飲め体も活性化いますからね」
「ああ、たしかにな」
美月くんは俺のフィジカルやメンタルをケアする立場でもある。
女性士官や兵士が海軍の軍艦に乗船したりするのはこの世界では普通であるし後方での補給を取り仕切る女性の将官もすでに誕生している。
まあソビエト帝国には女性士官や女性兵士はほとんどいないみたいだが。
「美月くん、現状で、船の強化をするとしたらばまずは何を一番先に行うべきだろうか?」
美月くんが少し考えた上で答えた。
「やはり索敵能力の強化が優先かと思います。
艦橋そのものや、水上の電波探信儀、水中の音波探信儀が強化できれば敵の位置もわかりやすくなって移動がスムーズに成るのではないかと思います」
「ふむ、それはたしかにそうだな」
「また対空兵装の命中率を上げるためにも電波照準儀も強化したほうが良いでしょう」
「確かに前回は見事に敵の攻撃機を打ち漏らしたからな。
対空砲火の制度を上げるためにも電波照準儀を強化したほうが良いな」
まあ敵の位置に関する情報を得られやすくする方が有利なのは当たり前だな。
敵味方の航空機などはなぜか位置を全部把握しているかのように移動したりもするのだが。
私はコンソールを開いて艦橋や強化パーツの開発をすることにした。
「早速書類申請をするのですか?」
「ああ、こういったことは早くやっておくことに越したことはないからね」
「たしかに敵が来てからでは遅いですしね」
開発ツールをひらき、戦艦、空母、巡洋艦、駆逐艦の新型艦橋と、強化パーツの電波探信儀1、音波探信儀1、電波照準儀1をクリックして、それぞれを開発する。
新型艦橋は基本的な水上と水中に関しての索敵範囲が広がって、迎撃精度も上がるが、旧型より大きくて重いので速度が落ちる欠点もあったりする。
強化パーツもそれぞれ重量があるのでそれらを装備するとさらに重くなる。
元々大きくて船体も重い戦艦や空母の場合は重量が増しても大した影響はないが、駆逐艦とかだとそういった重量が増えると目に見えて速度が下がったりもするので何でもかんでも開発し、それを船に乗せればいいというものでもなかったりする。
まあ主機や主缶を強化することである程度補えるものでもあるんだが、その主機や主缶の改造でそれ自体の重量が増えたりもする。
「駆逐艦を戦力として強化したいならばどうすべきだろうか?」
「やはり酸素魚雷がほしいですね」
「たしかにな」
というわけで魚雷の開発で通常魚雷の68cmと80cmを開発した上で酸素魚雷も開発することにした。
実際に通常魚雷に比べて酸素魚雷のほうが攻撃力は大きく上がるし射程も長くなる。
もっとも大砲に比べれば攻撃力では十分匹敵してもその射程は短いので戦艦のほうが結局は安定して敵を叩けるけどな。
「後は航空機も新型がほしいな」
「できれば戦闘機の新型はほしいですね」
「確かにな」
というわけで零戦の新型を開発しよう。
戦闘機は零戦二一型を新たに開発しそこからさらに零戦二二型、零戦三二型まで開発をすすめる。
攻撃機も九七式艦攻を九七式艦攻一二型に爆撃機は九九式艦爆を九九式艦爆一二型に、偵察機は零式水偵からさらに零式水偵一一型甲へ進化させた。
「こうなったら戦艦の大砲も開発するか」
ということで45口径41cm連装砲を開発して扶桑に載せられるようにした。
このくらいしておけば敵の攻撃パターンが航空機だろうと戦艦だろうと潜水艦だろうと何らかの艦種で迎撃できるだろう。
功績が無限でもなきゃこんなに一度にあれこれ開発をすることはとてもできないんで助かるぜ。