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3/39

追ってきた水雷戦隊はなんとか壊滅させられたか

 さて、本来であれば稚内は軍港ではなく、軍港としては下北半島の大湊警備府が最北だったはずだが、稚内と南樺太の大泊は重要な連絡航路であった。


 で、この世界では日英同盟の影響もあって、中国国民党とソ連が最大の脅威であると考えられたこともあって、稚内と大泊は軍港都市になっている。


 ソ連といえば陸軍大国で海軍なんてあったっけ? ぐらいに思われていた気がしたが、実際はスターリンの時代のソ連は結果的には失敗したが大海軍建設を志向していたし、この世界では大型戦艦8隻、高速型戦艦16隻、空母2隻、重巡洋艦20隻、軽巡洋艦40隻、駆逐艦128隻などが実際に生産されているらしい。


 もともと第1次世界大戦開戦時の海軍兵力では帝政ロシアは日本をしのぐほどの戦力を持っていたが第1次世界大戦とロシア革命で、ロシア海軍は崩壊。


 しかし、スペイン内乱で人民政府支援船舶が枢軸国側に撃沈されても派出する護衛艦艇がなく、 ドイツやイタリアがフランコ政権を支援するのを座視せざるを得ない状況は看過できず、 スターリンは海軍力の必要性を痛感したことで、 航洋艦隊を創設すべきとの決議を採択させ艦船の建造に踏み切った。


 空母がすくないのはスターリンが航空戦力が役に立つと考えていなかったことや、戦艦や重巡洋艦などの大型艦艇の存在が海軍や国民に自信と誇りを与え、ドイツにソ連への侵略を思いとどまらせるという戦争抑止効果もあると考えていたようだ。


 まあそんな状態なので北海道や南樺太にも軍港が必要であるとの判断で稚内が軍港されていたのは助かったと思う。


 実際にはそんな通常艦艇じゃないトンでも超兵器が出てくるはずだけどな。


 まあそれはそれとして陸でゆっくりうまい飯を食え、真水の風呂に入って、布団でゆっくり寝られるのはありがたい。


 士官待遇ならなおさらな。


「陸で食う飯がうまいのはありがたいものだな。

 真水の風呂に毎日はいれ、布団でのんびり過ごせるのもだが」


 俺と一緒に食べていた美月君もうなずく。


「まったくでありますね」


 大和や長門のような艦隊旗艦になるような大型戦艦や間宮のような給糧艦などはともかく駆逐艦では風呂にろくに入れないし、巨大な冷蔵庫や冷凍庫設備があってうまい肉、魚、野菜などを食えるわけではない。


 さらに航海中は入浴も洗濯とも数日に1回で、さらに風呂の湯は海水を用い、桶3杯しか使用不可とかなど水の節約をしなくちゃならん。


 そして唐突にコンソールが開いた

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【ミッション】ランクF


 目標:水雷戦隊の17隻を全て撃沈せよ


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「来たか?」


 それと同時に警戒サイレンが鳴った。


「ソ連帝国艦隊が接近しています。

 速やかに迎撃についてください」


「食事の途中だが行くか」


「はい、艦長!」


 俺たちは足柄へと急いで戻った。


「だいぶ接近されてしまったか」


 俺が聞くと美月君はうなずいた。


「まだ、大丈夫かとは思いますが」


「よし速やかに出港せよ。

 両舷前進最大戦速!」


「両舷前進最大戦速!」


 戦闘マップには北に光点が移っていてそれは刻一刻と南下しつつある。


「前は逃げることしかできなかったが今度はそうはいかんぞ。

 九五式水上偵察機を発艦させよ」


「九五式水上偵察機発艦します!」


 そしてしばらくして無線での報告が入ってきた。


『テキスイライセンタイミユ』


「よし、座標が分かったな。

 正面から突っ込む!」


「艦長?」


「目標、敵一番艦(先頭艦) 駆逐艦が射程に入り次第. 1番2番主砲、撃ち方始め!」


「てっ!」


 ”ズドォッン!!”


 75口径20cm連装砲が火を噴き、その砲弾は敵駆逐艦へ命中し、火柱が上がったあと爆沈した。


 しかししばらくすると敵の反撃も始まる。


「敵巡、撃ち方始めました!」


「回避運動!」


「回避運動」


 敵艦から発砲炎と黒煙が広がって、敵砲弾が降り注ぐ。


 だが俺の”回避”の能力が上がっていることもあって敵の砲弾は当たらない。


 そして敵の戦列とすれ違う。


「目標、敵二番艦 一斉撃ち方始め!」


「一斉撃ち方始め!」


 すれ違いざまに駆逐艦へ主砲の砲弾を叩き込んで次々に撃沈していく。


「目標敵巡、魚雷戦用意」


「魚雷戦用意」


「魚雷音聴知!」


「くっ、魚雷発射後回避運動!」


「回避!!」


 あちらは魚雷を回避できず水柱が上がった。


 こちらは……。


「何とかよけられたか……」


 回避能力の差で何とか魚雷に直撃は避けられたようだ。


 ともかく敵水雷艦隊は全て撃沈できた。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【ミッション】ランクF  クリア


 目標:水雷戦隊の17隻を全て撃沈しました


 目標を達成しました。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「敵後続戦力がないか確認!」


「敵後続戦力はない模様!」


「では偵察機を引き上げて港へ戻るとしようか……」


 巡洋艦一隻で水雷戦隊を撃滅とか無茶だよなと思うが、ソビエト海軍は比較的旧式っぽいのもあって何とかなったか。


 まあこのくらいはほんの序の口なんだろうが。


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― 新着の感想 ―
[一言] 自分で「両舷前進最大戦速」に誤字修正しておいて申し訳ないのですが、「両舷前進」で始まる速力指示は強速までで、第一戦速以降はそのまま「第一戦速」とか「いち戦速」、「ふた戦速」等で指示していたそ…
2019/12/16 12:44 退会済み
管理
[一言] ま・・・毎回思うんですけど此の更新速度の速さ羨ましい・・・。 新作書いてて思います。
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