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閑話:そのころのソ連や大日本帝国正統政府の動き

 ヨーロッパでナチスドイツが降伏に追い込まれたころまでの極東の動きである。


 ソ連にとって簡単にひねりつぶせると思っていた中国戦線は、徹底的な焦土戦術に加えて山岳部でのゲリラ攻撃、中国南部の温暖で不衛生な環境から疫病の流行などもあり、予想外の消耗戦となったソ中戦争は完全な泥沼化をしていた。


 そこで、ソ連は講和した日本に対して直接中国を攻めることはさせず、インド方面からのアメリカやイギリスの中国国民党への物資の補給路を断つように命じた。


 これは日本へ中国大陸での領土主張をさせないためでもあった。


 そして、ゴムや石油などの戦争遂行のために必要な戦略物資を入手する必要もあったため大日本帝国正統政府軍はマレー半島において南進を開始し、シンガポールを陥落させた。


 一方のアメリカは第一次世界大戦の前から世界最大の資本主義国家となっていた事もあって共産主義運動が厳しく弾圧され、反共政策を長く続けていており、ニューディール政策で労働者の権利などが重視されるようになり、アメリカの世論はソ連や社会主義運動に対して以前より好意的になったが、保守派による対ソ嫌悪感はより強まった。


 ソ連が日本を攻撃し樺太・北海道千島列島などを得て事実上日本の軍隊の多くを従えたことで、アメリカは太平洋におけるソ連の直接の脅威に対峙することになった。


 しかし、イギリスほかヨーロッパ各国の窮地もあって欧州戦線の優先や、日本海軍の戦力が予想以上に強力であったこともあってミッドウェイ島やハワイ諸島を失陥し、アメリカ西海岸での防衛を余儀なくされていた。


 この頃日本本土ではソ連のような五カ年計画を策定し、財閥企業の国有化や農業集団化を実施し、コンビナートの計画策定と建設が行われ、農地も国家が管理するコルホーズになった。


 重工業では欧米に大きく遅れを取っていた日本はソ連式のやりかたで重工業生産力を向上させたが、囚人の強制労働などと財閥資本家や大地主の資産没収、軍部における反対者の粛清が行われスターリン体制の闇の実態について知らなかった知識人の間では理想視されたソビエトにおける共産主義の実態をその身を持って思い知ることになった。


 その状況が大きく動くのはナチスドイツの降伏によりアメリカが太平洋戦線へと戦力を大きく振り分けることができるようになり、イギリスもインド方面へと戦力を展開できるようになり戦力が逆転した事により始まる。


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