ノルウェー上陸作戦は英独珍兵器対決だったが取り敢えずノルウェーの開放はできたよ
さて、ドイツの超兵器である超巨大氷山空母のハボクックと冷凍光線戦艦エーリヴァーガルを撃破したことでドイツ海軍の水上戦力は尽きたと判断された。
それらの超兵器の建造はスカンジナビア半島にて行われたと推測されたため、イギリス及び日本やフランス、オランダ、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、ポ-ランドなどの欧州各国の亡命政府は欧州連合軍を結成し、まずはノルウェーをナチスドイツから開放することに決定した。
ノルウェーはスエーデンやフィンランドと言った中立国を挟んでいるので、解放後にナチスドイツやソ連に奪い返される可能性が低く、ノルウェーの鉄鉱石と海産物はドイツにとって重要な地位を占めているため、4万人を超えるドイツ軍が駐留しているはずだがソ連と敵対し海軍が機能していない状況では弾薬の補給は容易ではないはずだ。
欧州連合軍と言えば名前は勇ましいが、その実態は祖国を占領されて追い出された寄せ集めの敗残兵に過ぎないとナチスドイツは盛んに宣伝していたりもするが。
「我々は寄せ集めの敗残兵か。
実態についてはその通りとしか言えないのが笑えないな」
俺がそう言うと美月くんがたしなめるように言った。
「とは言え名目上は欧州各国政府首脳や王族なども勢揃いではあるのですし、こういう場所でそういった事を言うのはどうかと思いますけど」
「たしかにな」
欧州連合海軍の観艦式を兼ねた記念式典が派手に行われているのは現在では世界の孤児とみなされる立場がナチスドイツやソ連帝国と逆転してしまったイメージを再び覆すためで、各国海軍の士気を高め、精強さをアピールすると共に、敵勢力に対する示威行為としてもそれなりに有効ではあるはずだ。
もっとも普段から仲が良くない国もあったりするので空気がギスギスしている場所もあるが
軍礼装に身を包んだ俺たち、高級将校も参列している。
華やかであるが空虚とも言える観艦式が挙行されたがそれぞれの祖国を取り戻すという意思の明示にはこれは必要なことであったであろう。
実際にイギリスに亡命するにあたって政府首脳部や王族などが乗ってきた軍艦はそれなりの船も多く壮観な眺めではあった。
とは言えこういった連合では明確な縦の指揮系統を構築するのは難しく、欧州各国の船がバラバラに動いているのが実情だ。
そしてイギリス海軍は超兵器との戦いの矢面に立っていることもあって損耗も激しい。
アメリカの支援があればこそ現状でも国をなんとか維持できていると言うのが我々の実情でもある。
そして我々の国日本はイギリスから地球の反対側場所に存在するのであって、開放されるのは最後になるだろう。
それでも祖国を取り戻すために我々は戦い続けて、功績を示さなければならないが。
俺の階級も大将になったが部下がどっと増えているわけでもない。
もっとも大型艦艇を旗艦とし、複数の大型艦を運用できる艦隊を構築できるのでやれることもだいぶ増えるが。
まあこのあたりはもともとのゲームでもそんなものだったから驚きはしないが。
「そして超大型双胴空母を保有する我々の任務は航空兵力を用いてレーダー施設や沿岸砲台、航空基地の破壊ということだな」
「上陸後のドイツ軍のトーチカの破壊や占領はイギリスが担当するようですね」
「ああ、そのはずなのだが……」
俺の艦隊編成のメインは航空母艦2隻による航空攻撃でまず敵空軍を叩き、戦艦2隻による砲撃で敵施設を破壊、その後に特殊戦艦2隻の搭載するミサイル艇によって上陸支援も行う。
で、上陸支援のためにと使ってくれと言われ、乗せることになったのがイギリスの上陸支援兵器パンジャンドラム。
ボビンのような形状の車輪と車軸だけで構成された、ロケット推進式の自走爆雷だが、車輪ではなく車軸の方に推進用にロケットを取り付けその部分の下部に重いものを設置することで前に進むようにした、前に施策して大失敗した物の改良版らしいが……。
「これならロケット弾やミサイルを直接打ち込んだ方が速い気がするのは俺の気のせいだろうか?」
美月くんも苦笑している。
「一応、車輪や車軸は木製で作れて爆薬を多量に搭載できるメリットはありますが……」
「まあ航空機のエンジンに関してイギリスの技術支援が我々に対する支援として大きかったのは事実だし、彼らの好意だと思って使わせてもらおう」
ミサイル艇にパンジャンドラム改を積み込んで俺たちはナルヴィク を目指した。
そしての途中でいつもどおりにコンソールが開いてミッションが提示された。
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【ミッション】ランクB
目標:ナルヴィクを制圧し、ノルゥエーを解放せよ。
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水上艦艇は駆逐艦程度で、潜水艦には多少苦労したが対潜哨戒機からの爆雷攻撃で潜水艦にも対処した。
そしてここのドイツ空軍の機体は一世代前の機種であったこともあって、烈風グリフォン改で制空権を握るのは簡単だった。
爆撃機や艦砲射撃によるレーダー施設や沿岸砲台、航空基地などの大きな施設の破壊も順調に行った。
問題になったのは上陸作戦で、結果として言えば改良されたとは言えちゃんとバランスが取れていなかったパンジャンドラムは凸凹に対する対策などは考えられておらず、結局はまっすぐ進まずに途中で横転して横になったりするものも多くて対して役に立たなかった。
もっともナチスドイツ側の秘密兵器で、歩兵の移動トーチカでもあるクーゲルパンツァーも対して役に立たなかったことではお互い様で結局は、普通に銃と塹壕用スコップ、イギリスはもったいないからと持ってきて使った槍などのほうが役に立ったのだが。
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【ミッション】ランクB
目標:ナルヴィクを制圧し、ノルゥエーを解放しました。
ミッションを達成しました。
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なんだかやれやれと言った感じではあったが、ノルゥエーのドイツ軍は最終的に降伏してまずはノルゥエーがナチスドイツから開放された。
次の本命はフランス北部の軍港奪取かシチリア島かのいずれかだろうな。




