バトル・オブ・ブリテンでのドイツ空軍迎撃を超大型空母の信濃で手伝ったよ
さて、フランスがナチスドイツに降伏したことで欧州におけるナチスドイツと戦っている国はイギリスだけになった。
第一次世界大戦ではドイツと協力したトルコだが今回は中立を保っていた。
スペインのフランシスコ・フランコ政権はスペイン内戦でドイツ、イタリアの支援を受け、防共協定にも参加していたが、長期にわたる内戦で疲弊していたこともあり、ナチスドイツによるポーランド侵攻で、ポーランドと同じくカトリックであり、反ソであったスペインに衝撃を与えこともあってスペインは中立を宣言し、ソ連の東ポーランド占領は「ヨーロッパのアジア化」であると非難した。
しかし、フランスの敗北によりスペインは中立を放棄した。
現状ではイギリスの敗北は間近と見られており、ドイツ空軍はドーバー海峡付近の輸送船や沿岸の港湾を攻撃した。二機一組を最小単位とするロッテ戦術を使った戦法と軍用機の保有数においてまさる、ドイツ空軍がイギリス空軍に対し優位にあったのは事実である。
しかし、ドイツ空軍はヨーロッパ大陸での作戦を念頭に置き、地続きの戦場において味方陸軍部隊への急降下爆撃機による航空近接支援と敵の補給遮断を行うという陸空直協を前提に運用されることを基本にして航空機が製造、編制されており、ドイツ空軍単独でのイギリスへの渡洋攻撃を想定していなかった。
そのためナチスドイツのメッサーシュミットBf109は航続距離が短く、イギリス南東部までしか爆撃機を護衛できなかったし、双発戦闘機メッサーシュミットBf110はエンジンが2基ある分重いため、軽快な単発単座戦闘機と敵対した際の空戦能力で劣り護衛戦闘機としてはあまり役に立たなかった。
アドルフ・ヒトラーは、フランス降伏とUボートによる通商破壊によるイギリスの困窮などを外交材料にイギリスの降伏を望み、戦わずして屈服できると期待していた。
しかし、イギリスのウィンストンチャーチルは徹底抗戦を決定。
ネヴィル・チェンバレンが首相を続投していればおそらくイギリスもドイツに降伏した可能性が高かったが、チャーチルはそうしなかった。
そしてドイツ軍の英本土攻略の危機に対しチャーチルが棍棒や槍ででも徹底抗戦しなければならないというと陸軍省は鉄の槍を2万5000本も発注して郷土防衛隊に配っている。
島国同士だからか日本人の俺にはなんとなくわかる気がするが、チャーチルは現実を知らない男でもあった。
しかし、現実を知らないのはヒトラーも同じであった。
そしてドイツのレーダーは英国よりもかなり遅れていて、イギリス空軍は数の少なさをレーダー網による索敵能力で補えた。
そのためドイツ空軍はイギリス攻撃に手間取っているのが実情だ。
もっともイギリス空軍の被害もでかいのだが。
俺たちは朝食をのんびり食べている。
「はあ。
朝食は和食でアジの開きに出し巻き玉子、青菜のおひたしに、お新香と味噌汁だった大湊が懐かしいな」
「そうですねぇ……それにドイツ空軍機による空襲が頻繁なのは困ります。
ごはんくらいはゆっくり食べたいですよね」
「まあ敵はこちらの状況など斟酌はしてくれないのは当然だがな」
そんな事を話していたらいつものごとく唐突にコンソールが開いてミッションが提示されたのだ。
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【ミッション】ランクC
目標:飛来するドイツ空軍を迎撃せよ
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これはまた無茶な事をと思うがいずれにせよイギリスは守らなければならない。
そして俺のもとへ走ってくる美月くんが言った。
「司令!
私達にもドイツ空軍迎撃の要請が出ています!
どうしますか?」
「世話になっている家の母屋が焼けてしまうのは防がねばなるまい。
いすれにせよナチス・ドイツとの戦闘は避けられん。
我々も出るぞ」
「はいわかりました」
俺は船を空母”信濃”に変更する。
この世界の信濃は航空機を100機搭載できる日本軍ではもっとも大きな空母だ。
戦闘機の烈風一一型80機に偵察機の彩雲を20機載せて、索敵能力や速力などが強化された信濃に乗り込む。
強化パーツは新型の電波探信儀・ 音波探信儀・ 電波照準儀に加えて、自動装填装置や火器管制装置、対空兵装用の近接炸裂信管を装備、速力は30ノットでる様になっている。
武装は
12.7cm連装高角砲8基16門
25mm3連装機銃 37基
40mm単装機銃40基
12cm28連装対空噴進砲12基
だ。
「総員!戦闘配備につけ!」
「戦闘配備!
イギリスのレーダー網とのリンクが完了しました」
「よし、偵察機の彩雲を発艦させよ」
「了解しました。
偵察機発艦します!」
そしてしばらくして無線での報告が入ってきた。
『テキコウクウキミユ』
戦闘マップにも南に小さな光点が写っていてそれは刻一刻とイギリス本土へ向かってきている。
「残存の航空隊も全機発艦せよ!」
「了解しました。
烈風一一型艦上戦闘機、全機発艦します!」
カタパルトで射出される烈風一一型が南に向けて飛び立っていく。
『コウクウユウセイヲカクホ』
烈風一一型は縦横無尽にドイツ空軍機を撃墜しまくり、やがて敵航空機は損害に耐えきれずに撤退していった。
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【ミッション】ランクC
目標:飛来するドイツ空軍を迎撃しました
目標を達成しました。
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「ドイツ空軍が航続距離や運動性能を第一にしていなくて助かったな」
「はい、今回も一時はどうなることかと思いましたが、なんとかなりましたね。
司令」
「ああ、敵の航空機がもっと性能が高かったらこうは行かなかっただろう。
さてポーツマスへ戻るとしようか」
俺がそういと美月くんも笑っていった。
「はい、ポーツマスへ帰投します」
こうしてドイツ空軍の空襲を俺たちは防ぐことに成功したのだ。




