ソ連海軍の高速ホバー揚陸艦の撃退には成功したが、超巨大列車砲で大湊が破壊されてしまったか……
さて、俺の階級が上がり功績が無限なのを利用していろいろな物の開発を進めた。
空母の特殊装備であるエレベーター、舷側エレベーターとカタパルトを開発し、航空巡洋艦・航空戦艦と特殊巡洋艦・特殊戦艦の船体の開発をした。
満足気にしている俺を見て美月くんが首を傾げた。
「ふむ、美月くんにはなにか意見がありそうだね」
「はい、提督。
航空戦艦や航空巡洋艦の運用をお考えでしたら、航空機も新型の配備を要請したほうが良いのではないでしょうか?」
「ああ、なるほど。
それはもっともだね」
確かに搭載する航空機も本来であれば十分進化されているとはいえ、現状ではまだまだ微妙な状況だしソ連の方もドイツの協力をもとに新型機がでてくるだろうから、さらに開発をしなければならないな。
戦闘機は零戦三二型から零戦五二型乙、零戦五二型、零戦五四型まで開発し零戦系統の最終機体まで仕上げた。
攻撃機は九七式艦攻一二型から天山、天山一一型まで発展させた。
爆撃機は九九式艦爆二一型から彗星、彗星一二型まで発展させた。
偵察機は零式水偵一一型甲から瑞雲、二式艦偵まで発展させた。
これで現状での航空戦力としては十分強化できたはずだし。
「これで敵はいつでも来いという感じにはなったと思うがどうだろうか?」
俺が美月くんに聞くと彼女はうなずいた。
「でも敵には来てほしくないですね」
「全くだ」
そんな事を話していたら唐突にコンソールが開いてミッションが提示されたのだ。
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【ミッション】ランクD
目標:大湊基地への敵超兵器揚陸艦による上陸作戦を阻止せよ
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げ、あれが来るのか……。
そして基地内にサイレンが鳴り響いた。
「ふむ、ソ連海軍がおいでなすったようだな」
俺が苦々しげに言うと美月君も苦笑してうなずいた
「噂をすれば影ってやつですね」
そして館内放送が状況を伝える。
「当基地へ向かい、敵超大型強襲揚陸艦が45ノットの速度で接近中。
至急迎撃にでてください」
「今回は超大型強襲揚陸艦での強襲か」
「超大型艦で45ノットというのはあり得るのでしょうか?」
「ソ連海軍はレーザー戦艦のようなありえない船を作っているからな。
大型で高速な強襲揚陸艦があってもおかしくはない」
俺の言葉に美月くんがうなずいた。
「なるほど」
俺は急いでコンソールを開いて船を駆逐艦”島風”へと変更し、駆逐艦隊を組んですべて同型艦で合わせた。
45ノットと敵の船足が速いが強襲揚陸艦であれば火力はそこまで高くないはずなので、できるだけ高速な艦で挑んだほうがいいだろうという判断だ。
エンジンとボイラーを強化して速力は48ノットまで引き上げる。
武装はそのままでいいだろう。
5連装魚雷発射管3基に搭載する魚雷は酸素魚雷にするけども。
強化パーツとして
音波探信儀、電波探信儀、電波照準儀は当然搭載するとしてササッと開発を行って、急速前進と急速旋回の強化パーツも装着。
「よし速やかに出港せよ。
両舷前進最大戦速!」
「両舷前進最大戦速!」
戦闘マップには日本海側の北西にノイズ混じりの大きな光点がうつっていて、それが刻一刻と南下しつつある。
「たしかに敵の足はかなり早いな」
お互いにかなりの速度で航行しているため比較的早く敵の大型強襲揚陸艦と接触した。
そして敵が高速な理由もわかった。
「敵艦は空気浮揚艇か……魚雷は無意味だ。
反転して並走し射程に入り次第敵船の浮揚袴に対して. 主砲、撃ち方始め!」
戦艦並に大きくしかも高速な強襲揚陸艦は存在しないが、史実でもソ連が開発したポモルニク型は1隻に歩兵360名または主力戦車3両を搭載できる上に60ノットを超える速度を出せるというかなり化け物なスペックだったりする。
「てっ!」
反撃のロケット砲による攻撃をかいくぐりながら、四隻の駆逐艦の主砲で敵の大型強襲揚陸艦の浮揚袴に対しての砲撃を行うと、砲弾が命中し穴が開くことによってスカート部への空気の圧縮が止まって艇体の底部がそのまま水面に着水して大きく速度が下がった。
「よし着水したな。
魚雷戦用意、魚雷発射」
「魚雷戦用意、発射!」
敵巨大揚陸艦へ魚雷が命中し水柱が上がった後、沈没していった。
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【ミッション】ランクD クリア
大湊基地への敵超兵器揚陸艦による上陸作戦を阻止せよ
目標を達成しました。
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「やれやれ、何とか撃退できたか」
そしてホッとした俺たちが大湊へ戻ろうとしたときに轟音が響き、大湊の基地へ”それ”は着弾し基地は大きく破壊された。
「な、なんだ?」
「こ、これは……函館の超大型列車砲による攻撃です!」
「な、なんだと?
函館もソ連に制圧されたのか」
「しかも、こ、これは80cm列車砲によるものです」
「まさかナチスドイツからソ連の手に渡っていたのか?
くそ、駆逐小隊ではどうにもならんか……」
80cm列車砲による攻撃で大湊基地は完膚なきまでに破壊されたため、俺たちは横須賀を目指して南下することになったのだ。