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社員とパートと可愛い子ちゃん

「つ……疲れた……」


 結局あの後、売場とバックヤードを5往復くらいした。


「あれくらいで疲れてたら半年なんか持たないんじゃないの」


 あぁもう。何でこの人はいちいち突っかかってくるかなぁ。私、何か嫌われる様な事しましたかねぇ?


「カトウさん、そんな言い方はよくないですよ」


「リリアさん、優しい」


「あ、いや、俺は別に……」


 へっへーんだ。若くて可愛いリリアさんの好感度下がって焦ってやんのー。


「まぁ……まだ働き始めたばっかりだしな。まずは慣れてもらわないと」


 うわぁ、露骨。さっきまで文句言ってたくせにリリアさんに言われたらコロッと意見変えるんだもんなー。


 まぁ可愛いリリアさんから嫌われたくない気持ちはわかりますがね。


「とりあえず品出しはいいから中での作業して」


「わかりましたー」


 んで、私の目の前にドンと積まれた薄っぺらい段ボール箱の山。


「……キュウリ」


「これを袋詰めして。見本見せるから」


 ちゃちゃっとゴム手袋を嵌めた社員さん、カトウさんが段ボールの中のビニールを開けてキュウリを鷲掴む。


「手の大きさにもよるけど3本くらいなら掴めるだろ。んで袋に入れる」


 ほうほう。


「袋に入れたらシールで綴じる」


 専用の機械でガチャンとな。


「余った口の部分はここで切る」


 へー。カッターみたいなの付いてるのか。押せばスッパリ切れるのね。


「これだけ」


「あ、ハイ」


 確かに作業としては単純だ。


「んじゃ後は自分でやって」


「あ、ハイ」


 見様見真似で同じ様に袋に入れてガチャンとな。おぉ、出来た。ちょっと楽しいぞ。


「あ、失敗した」


 調子に乗ってガッチャンガッチャンやってたら失敗した。シールがびろーん。んしょんしょ。カッターで切って剥がして、やり直し。

 単純に見えて意外とコツが要るかもしれん。


「慣れてくると一箱5分くらいで出来る様になるから」


「5分?!」


 いや、さすがに5分は無理だ。カトウさんなら出来ても私には無理だ。自分が鈍臭い自覚はある。


「リリアさんも5分で出来るんですか?」


「私もまだそんな慣れてないから5分はちょっと無理ですね」


 可愛い子は苦笑しても可愛い。うむ、眼福。


「リリアさんで無理なら私なんてまだまだ先が遠いですねー。あ、いえ、頑張りますよもちろん!」


 うっかり本音を洩らしたらカトウさんの眉間に皺が寄った。ヤバい、この人は機嫌が悪いと態度もキツくなるタイプだ。


 ほーら、可愛い子ちゃんが見てるよー?

 そんな怖い顔したらリリアさんに嫌われるよー?


 いや実際、リリアさんマジで可愛いです。金髪に近い薄茶の髪に緑色の瞳。外国人っぽいけど異国どころか異世界人なんだよなぁ。不思議。

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