異の非27話 「俺はぼっち。いやまじで」
どうも、もやしです!今回は26話の延長です。
レイナとリンはとにかく元気なキャラです。一緒にいたら楽しいことも多いけど、トオルみたいな陰キャからしたら一緒にいてかなり疲れるタイプの人ですね笑
では、異能力者の非日常27話です! どうぞ!
「うぅ、ん? 」
「お腹が痛い……あれ?」
「あっ! 二人とも起きた? 大丈夫?」
「チッ、起きたのかよ……」
俺のボディーブローを受けて倒れたレイナとリンは数時間後に目を覚ました。
ずっと、寝てればよかったのに……。という思いがあった俺は心底嫌そうに舌打ちした。
「あれ? リンくん、なんで私たち寝てたんだっけ?」
「ん? あれ? たしかになんで俺とレイナっちがトオルの家で寝てんだ?」
二人はあまりにもの痛みにより、脳には影響があまりないはずだが記憶が混乱していた。
「それは二人が度々倒れる病気を患ってるからってトオルくんが言ってたよ?」
「「えっ?」」
「そうだぞ。お前らは危ない病気を患ってるんだ。だからさっさと帰って寝ろ。」
俺は二人の記憶が混乱しているのをいいことに、かなり無理のある嘘でレイナとリンを家から出ていかせようとした。
「(これで、二人だけで帰るのは危ないからヒデも付き添ってあげてくれと言えば完璧だ!)」
だが、しかしーー、
「「あっ! そうだ!」」
「……え?」
「「お前に殴られたんだ!/トオルに殴られたんだ!」」
なぜか、二人はすぐに思い出した。
「……なんで思い出すかな? お前ら」
この後、しばらくその一件について俺は二人に色々言われた。俺からすれば、
「いや、お前らが勝手に人の部屋に入ろうとするからだろ。俺は悪くない」といったところなのだが。
ーー数十分後ーー
「じゃあせっかく遊びに来たんだし何かしようぜ! トオル、お前の家ってゲームある? というかあるよな? それしようぜ!」
「お前勝手に人の家に来といて図々しいにもほどがあるぞ? また殴られたいのか?」
「ちょっ」
「あ、あの〜……」
「ん? どうかしたかヒデ?」
起きてからすぐ騒ぎ出したリンを力で黙らせようとしていた俺。そんな俺たちに見えるようにそーっとヒデが手を挙げていた。
「ごめん。僕、今日午後の2時から吹奏楽部の練習があるんだ。だからここらで帰らせてもらうよ」
「え」
レイナ、リン、ヒデの三人の中で最も良心なヒデの「帰る」宣言に俺は動揺した。
「ちょ、ちょっと待ってヒデさん! 帰るならこいつらも一緒に連れてってくれ! こいつらを置いてかないでくれ! でないとストレスで俺が死ぬ!」
「だ、大丈夫だよ! トオルくんはその程度じゃ死なないって僕信じてるから! 頑張って!」
必死に助けを求める俺に驚きながらもヒデは玄関へ向かうと、一度こちらを振り返り親指をグッと立ててそう言った。
「いや、なに信じてるって? そんな信頼いらないから助けてください!」
そんな俺の声もむなしくヒデは家から出ていった。変人バカ二人と俺だけが残ったリビングでレイナが空気を変えようとして言った。
「じゃ、じゃあ遊ぼうか!」
「そ、そうだな! なぁトオル!」
「……終わった。俺は間違いなく終わった」
そんな大げさな深い絶望を抱きながら俺は下を向いてうなだれた。
一日2話ぐらいは投稿していきたいです。
(↑と言っても多分どこかでネタが切れて投稿が止まる場合があると思います笑)
では、また!