異の非2話 「普通の日常」
今回はほぼ主人公のトオルの説明とちょっとだけ世界観の説明だけです。
あと、文章も長ったらしいです。
あたりまえにこうして生きていること。
それはきっとこの上ない幸せに違いない。
まぁなにが言いたいかというと
日常 は最高ってことだ。
チリンチリン!チリンチリン!と耳にうるさい音が響く。それが携帯のアラームだとすぐにわかって俺はアラームを止めた。そんな、あたりまえな方法で彼は目を覚ました。彼の名前は中村 透。どこにでもいる高校生だ。
「あ? ああもう朝か?」
少し苛立ちを含んだ声でそう言った。
先ほどまでうるさくアラームを鳴らしていた携帯を手にとって時間を確認する。いつも通りの時間ということを確認してからトオルはベッドから出る。
そして、二階にある自分の部屋から階段を下りて、リビングに行く。
「兄ちゃん、おはよ……ん?なんだこれ?」
いつもとなにも変わらないリビング。
だが、そのリビングのテーブルの上には昨日までには置いてなかった手紙というよりは紙が無造作に置かれていた。紙を見ると、
「トオル、おはよう。今日は俺、大学にいつもより早く行かなきゃだから朝ごはん一人で食べてくれ。しっかり温めて食べろよ。あと、学校ちゃんと行けよ! P.S.サボるなよ!」と汚い字で書かれていた。
「本当、手紙でもうるさいなあの人。まぁさっさ
と朝ごはん食べるか」少し呆れ気味にトオルは椅子に座った。温めて と言われたがめんどくさいので温めずそのまま食べることにした。トオルは右手で箸を持ち、左手でテレビのリモコンを持った。
そして、そのままいつものようにテレビをつけてチャンネルをかえる。正直、特にこれといってニュースが好きというわけでもないのにこの一連の動作がくせになってしまっているのかテレビをつけてしまう。ニュースではいつも通りに天気予報や有名人へのインタビュー、そして事故死や殺人事件と本当に普通の放送していた。
トオルは殺人事件のニュースを聞きながらごはんをぱくぱく口に運ぶ。ここだけ聞くと完全にやばいやつだか、これも別におかしなことではなく普通のこと。トオルはごはんをしっかり飲み込んで殺人事件や交通事故のニュースを聞きながらぽつりと呟いた。
「平和だな〜」
誰かが今でもどこかで生まれ、そして死んでいる世界。そんな中、平凡な自分の日常に、あたりまえの日々にトオルは心底そう思った。
「ごちそうさま」
手を合わせてトオルはそう言って椅子から立ち上がってハンガーにかかった制服を取り、身支度をする。
「 よし。これで着替えは完了。準備はこれでよし」
と言いつつバッグの中身をゴソゴソと確認する。
鏡に映る自分の身だしなみを確認してからバッグを肩に掛けてリビングを出る
「じゃ、行ってきまーす」トオルは玄関の扉を開けて外に出た。
今の季節は五月中旬でまだ春の暖かさが町に残っている。トオルは基本、学校まで自転車通学だ。
別に、家から学校まで遠いというわけじゃなくただ単に自転車の方が早く学校につけるからだ。
スピードに乗って自転車のペダルをこぐ。
涼しい風が当たって心地よくて、あらためて自転車通学の素晴らしさを身をもって感じた。
そんなことを思っていれば学校にはすぐに着いた。
「着いたか。さっさと教室行くか」
と言いながら駐輪場に自転車を止めるトオルだが別に遅刻してるわけではない。むしろ、かなり早い登校だ。
じゃあ、なぜ彼がそんなに急いでいるのか?
それは、彼の性格、人間性が大きな原因だった。
その原因というのが、
「よし。誰もいないな」
誰もいないがらんとした教室で彼はそう言って自分の席に座った。彼はポケットからイヤホンを出して携帯に接続して音楽を聴き出した。彼がこんなことをする理由は簡単で彼がいわゆる ボッチ という類の人間で、人とはできる限り関わらないようにするためできるだけ早く学校に登校しているのだ。それに彼の性格上人付き合いが下手であり、すぐに思ったことを暴言だろうがなんだろうが口にしてしまうので
ボッチ になるのは必然というか運命というか
まぁしょうがないことだった。
こんなこともあって彼自身、中学生の頃は典型的な引きこもりだった。なので、こうやって学校に普通にこれるようになっただけでも彼にとっては大きな成長だった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
多分、というか確実につまらなかったと思います。キャラ一人しか出てないですもんね。
次回はやっと他のキャラも出すのでお楽しみに待っていてくださると嬉しいです。