異の非15話 「遭遇、しかも二人《デュアルエンカウント》」
どうも、もやしです。はい、今回で15話目です。特に話すこともないので前書きはこのくらいにして、異能力者の非日常15話、どうぞ!
その後、なぜか俺、リン、レイナの3人で自販機前に群がるという意味不明な状況になった。
いや、まじでなんでこうなった?俺、もう飲み物買ったから帰りたいんだけど?だが、リンが
「この子があの転校生なんだろ?なら仲良くなるしかないだろ!」とこれまた意味不明なことを言った。お前はまだ友達を増やしたいのか?あと、俺はいちおうケガ人だぞ?足骨折してるからな?リン、お前は松葉杖での移動のめんどくささを知らないだろうが、正直ここまで松葉杖をついてくるだけでも結構疲れる。通常の歩く動作の1.5倍ぐらいは体力を使う。だから頼む。
部屋に帰らせてくれ……!だが帰れない!
何かの罰ゲームだろうか?
そんなことを考えている俺にレイナが
「あなた……死んでなかったんだ」と言った。は?勝手に人を殺すな。
「あんなんで死ぬわけないだろ。それにお前みたいな『変人』をかばって死んでたまるか」
「あんなん」といつつあの日の事故のことをちょっと思い出してみる。……うん死んでないの奇跡だわ。
「へ、変人ってなによ!」そう言って俺を見て今にも噛み付いてきそうなほど彼女は怒った。え?変人って言っただけでそんな怒る?
「まぁまぁ二人とも落ち着けって。な?」
「「落ち着いてる!」」
最初にあった時からわかっていたが俺と彼女、遠坂 レイナは全く気が合わないようだ。
「ていうかお前さ。『あなた』とか言ってるけどそれ気持ち悪いからやめてくれない?」
「あなたがそれ言う?私のこと『お前』って言ってる『あなた』が?」
「おい、お前わざとやってんのか?」俺は片方の松葉杖で遠坂の足を叩いた。
「ちょっと!地味に痛いからやめて!」
「ならあなたって言うのをやめろ」
「ならお前って言うのやめてよ」
……。
「二人ともやめろって」リンの言葉をスルーして
「わかったよ。……遠坂さん」と俺。
「わかったわよ。……トオル」と彼女。
おい待て。なんでお前は俺の下の名前呼ぶの?しかも何で呼び捨て?
「……別に何となく」そう言ってジュースを一口飲むレイナ。やっぱり変人だなこいつ。
まぁ、俺も他人同然のお前をかばって死にかけたんだから変人かもしれないけど……。
そんな感じで、3人で数分特に話すこともなく時間が経った。大半の時間はリンがレイナと延々と質問&返答していた。……俺帰っていいだろ、これ。
そう思い松葉杖を掴み部屋に帰ろうとした。
だが、その時俺ら3人以外の誰かの声が駐車場、もとい自販機付近に響いた。
「あぁここにいたんですね♪ 遠坂 レイナさん」
声がした方を見れば、そこにはコートを着ていて、しかもフードで顔まで隠している人がいた。見た目は完全に不審者。でも声を聞くに女性のようだ。しかも、声や身長からして俺、リン、レイナと同じ高校生ぐらいの歳だろうか?
「あなたは?」レイナの当然の言葉に彼女? は当然のようにこたえた。
「失礼しました。私の名前は忍と言います」そして、綺麗に頭を下げてこちらに、俺とリンを除いてだろうがお辞儀をした。
俺は少し嫌な予感がした。というか自販機前にいた俺たち3人に話しかけてきた時点で少しではあるが「おかしな」雰囲気があった。
「トオル……」リンもそんな雰囲気に気付いて小さな声で呟いた。ああたぶんだが、こいつはーー、
「異能力者……!」そう口にしたレイナを見て俺は今日一番のながーいため息をついた。
これからも少しでも多くの人に読みたいと思ってもらえるものが書けるように頑張ります!
(毎回、同じこと言ってますね笑)