6 授業
久しぶりですね。誕生日を迎えました。
神社を出てちょっと行くと、人里に着く。人里には唯一の学び舎、寺子屋がある。
黒板に書いたのは8×3という九九の式。慧音の机には宿題をちゃんとしていれば解けるはずと書いてあった。
「ここの式を解ける奴は…。…じゃあチルノ。」手がいくつか上がった。
「2!」2!?に!?ni!?
「何で!?」先生側の人間に何でと言わせるその発想力。怖い。
「2はさいきょーの数字って咲夜がおしえてくれたから!!」
それ大富豪だから!!!! 今トランプしてないですから!!
「うん、座っていいよ。じゃあ他には?」 手が二つほど上がった。
「えっと…24です?」 大ちゃんすげぇ。…いやすげぇじゃなくて。チルノが。チルノがヤバいだけだから。
「うん、正解。合ってるんだからもうちょっと自信もってもいいぞ。」
大ちゃんは「はい」とうなずいて席に着いた。
「さて、じゃあ次の問題は…。」
と言ったところで授業の終了を知らせるチャイムが鳴った。
「明日までの宿題にするよ。」
えーっという声は少数で大多数は簡単だーとか言っている。
「気をつけて帰れよー!」
「「「はーい!」」」
「…ふぅ。」姿が見えなくなったのを確認して、職員室に入った。慧音の机には【お休み中】の四文字。
ため息をついて授業の資料を見ていく。
事の始まりは今朝俺が人里に降りたことだった。
「慧音先生がおやすみ…?」
「ええ…本人曰くただの頭痛らしいんですけど、今日は気分が悪いので休むと言っていたんです。」
甘味処のおばちゃんに礼を言って寺子屋へ向かった。
「失礼するぞ。慧音、いるか?」
返事がないのを不穏に思った俺は失礼しますと一言つぶやき、足を踏み入れた。
今日は寺子屋どうするんだろうなと思って教室に立っていたら、後ろから声がしたんだ。
「今日は神楽がせんせーなのか?」
ルーミアの声だ。こいつも寺子屋の生徒だったのか、と吃驚した。いや、そこまではいい。
「そーか!今日は神楽がせんせーか!さいきょーのあたいが受けてやる!」
このバカだよ。問題は。そしてこいつが俺が先生をやるという不確定理論をばらまいたんだ。
「全部…あのバカのせいだ……。」
顔を抑えて恨みを口に出す。
「責任転嫁はよくないぞ。」後ろから聞こえる透き通った声。
「あ、二日酔いのせんせーだ。」
「か、からかうな!!元はといえば宴会に誘った君のせいだろう。」慧音先生も責任転嫁を始めた。
「それなら来なきゃ良かったじゃん。来たかったんでしょ?せんせー。」からかうような口調で会話は進んでいく。
振り向いて、先生の顔を見る。ちょっと青白い。
「確かにな…。私の負けだ。反省するよ。」
苦笑して頭を下げた
「あ、そうだ。先生。」一つ忘れていた。とっても大事なことを。
「なんだ?」首をかしげる慧音に
「お給金。」俺は手を差し出した。
額が凹むかと思った。
パソコンを新しくしたので更新頻度は上がるのかな?
買い替えるまでの更新頻度の遅さよりはよくなるといいなぁ・・・。