決意
プロローグ
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「この国の独裁体制はどうにかならないもんかね〜」
15歳のジバンは祖父にこんなことを言って、議論していた。
「じいちゃんはこの国でずっと生きてきているけど、この国の政治や統治方法などに不満を持ったことはないの?」爪を噛みながら、聞いた。
おじいちゃんはこう答えた。
「不満も何も、わいが産まれた時からこういう国だったから、別になんとも思わないよ。いつもこうだったからね。」
そもそもこの国は、200年ほど前に、クリミア王が支配し、クリミア帝国として発展を続けてきた。しかし、3代目として王位についたウラン王が、領土拡大し、世界一の軍事大国を目指す国づくりを始めてからは、もう国民なんでただの道具に過ぎず、戦争にかり出され、食べものなどもろくに与えられず、貧しい生活をかれこれ70年近く続けている。その間、国民が怒りに任せ、反乱を企てたそうだが、軍事大国であったが為に、すぐ鎮圧され、反乱軍は皆殺された。なので
それ以降、反乱をやめ、大人しく言われるがままに暮らしているそうだが、ジバンはこの生活を続けるのが嫌だった。
ある日、おじいちゃんにこう言った
「俺はこの生活を続けるのが嫌だから、ここの王を倒しに行く。もちろん、今すぐにではないが、訓練して、強くなって、そしてこの国を倒す。そして国民一人一人が豊かに暮らしていけるようにこの国を変えてみせる。」そう言って家を飛び出して行ってしまった。
こうして、ジバンの英雄烈伝は始まりを迎えたのである。