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4 非日常の始まり2

『フルートの流れる日常』綾野祐介



4 非日常の始まり2



「修太郎、おはよ~」


 外見上寸分違いない七野修太郎に向かって

そんな風に話しかけてきたのは多分知り合い

の一人なのだろう。


「おはよう、向坂健太。」


「ん?何何?今日はフルネームで挨拶する日

なの?」


 どうも別の呼び方があるのか。記憶にあっ

た名前を発音するだけでは駄目なのか。面倒

なことだ。


「そんな気分の日もある。」


 我はとりあえず誤魔化すことに成功した。

しかし、これが続くようであれば、学校とや

らに行くのを止めようか。我は踵をかえした。


「おいおい、修太郎、どこに行くんだよ、学

校はこっちこっち。」


 向坂に連れ戻されてしまった。何故この者

は我の行動を指図するのか。元の力を発揮で

きるのであれば許しはしない。ただ、今は何

の力も出せないので受け入れるしかないのか。


 学校というところは不思議な空間だった。

大勢の人間たちが一つの狭い建物の中で集団

生活を送っているらしい。但し、一定の時間

のみなのだ。地球時間で24時間を1日とし

て、棲家と学校を行き来している。今日の我

のように徒歩や電車・バスと呼ばれる乗り物

に乗って。瞬間に遠くに移動する術を持たな

いのだそうだ。


「今日は何だか変な事ばかり聞くけど、どう

かした?」


 向坂という人間に問われる。


「いや、色々と再確認しているだけさ。朝か

ら何だかぼぉーっとしているのは確かだけど

ね。」


 七野修太郎の話口調も少し真似られるよう

になってきた。徐々に違和感は無くせるだろ

う。しかし、それで何かが解決するのか?








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