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13 セラエノ大図書館

『フルートの流れる日常』綾野祐介



13 セラエノ大図書館



 そこはプレアデス星団とよばれる恒星群の

中にある恒星のひとつセラエノの第四惑星に

あった。恒星の名前のままセラエノ大図書館

などと呼ばれている。惑星そのものには決ま

った名前はないが、それは地球から観測でき

ないためであり人類はその存在を確認できて

はいない。


 そこには巨石によって作り出されたとは思

えないフォルムとしてはかなり機械的な建物

群が聳え立っていた。


 そこを管理しているのは円錐型の生物であ

るが、元々そこに居た者たちではない。旧神

によって作り出され、図書館を管理者するた

めに連れてこられた者たちだ。


 そこを訪れる者は、図書館が置かれた時か

ら数十億年のうち、ほんの一握りである。ほ

ぼ訪れる者は居ない。記録として後世に残す

ために設置されただけで、そこを利用する者

たちが居ることは想定されていなかった。そ

のため貸出、というシステムは無く、その図

書館内で内容を確認できるだけだった。複写

などの設備はない。


 また、様々な言語や方法にて記録されてい

るので、一人の人間が解読しようとすると、

相当に手間取ってしまう。超過去の言語も多

数存在するからだ。言語ですら無い物も存在

する。触れれば直接脳に内容が流れ込んでき

たりするのだ。


 ナイアルラトホテップにしても、ここを訪

れるのは初めてのことだった。この宇宙には

観測者としての人類のような者と創造主、そ

して調整者としての存在の自分や杉江統一の

ような者の他には、この地を訪れようとする

者は皆無な筈だった。調整者が訪れたのも多

分自分が初めてだろうと思った。


 建物の玄関口のようなところから入ると、

大きなホールが現れた。そこから各通路が放

射線状に延びていて、その先に様々な書物が

保管されているようだ。探さなければならな

い書物がどこにあるのか、初めてのナイアル

ラトホテップには見当もつかない。探すとサ

イズ的には地球の人類とそれほど大きくは変

わらない円錐状の物が動いているのを見つけ

た。会話が通じるとも思えなかったが、自ら

の本来の言語で話しかけてみた。


「探し物をしているのだが、案内を頼めるの

かな?」


 円錐状の生物(無機物なのか有機物なのか

一瞥では判断付かない)は少し考えたような

時間の後、いくもある通路の一つに向かって

動き出した。付いて来いとでもいうのだろう

か。


 仕方なくナイアルラトホテップは後を追う

ことにした。





一話一話が綱渡り状態なのは精神衛生上よくない。

先が見えない。

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