28/95
5-1
「おくやまに もみじふみわけなくしかの こえきくときぞあきはかなしき」
漢字混じりで書くと、
「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき」
一般的な意味は、
「山奥で落ち葉を踏みしめながら泣いている鹿の鳴き声を聞くと秋のもの悲しさを感じる」
……とだいたいこんな感じでしょうか?
さて、猿丸大夫は実在しないとも言われています。
その素性は一切不明、最も古いもので古今集という和歌集の序文に、大友黒主と言う人の作風が猿丸太夫のようであると、その名が記されています。
また、猿丸大夫集という歌集も伝わっているようですがそれらのほとんどは「詠み人知らず」つまり作者不明の物なのだそうです。
猿丸大夫、それはもしかしたら「名無しの権兵衛さん」的な呼び名なのかもしれませんね。




