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命短し恋する花よ

命短し恋する花よ  「華は咲く」

作者: 宵代 月乃

えっと、「花は散る」のハッピ―エンドになる続きです!

まだ「花は散る」をお読みになられていない方はそちらから読まれたほうがいいかと思われます!

ちなみに私はハッピーエンド主義者なのです!

くらい、くらい、ゆめのなか。

わたしは、ここで、ひとり。

さみしくて、こいしい。ここは、どこ。わたしは、なに。

だれか、だれか、

「助けて・・・!!」

そこで、目が覚める。

花・・・いや、華は、周りの景色を見まわす。

私は華。10歳だ。だが、とても変わっていると思う。それは。

(生まれ変わり、ねぇ。)

私が、亡き姉にあたる、花の生まれ変わりだからだ。

・・・。私にはしっかりと花の記憶があるし、性格も体つきも顔も、今では幼少時代の花とまったく一緒だ。違うのは、超健康なこと。トモダチがいること。それから、私をとりまく環境。

母は老けた。主治医だったお爺さんは死んだ。菜奈ちゃんは14歳になり、凛は。

「あの小生意気な馬鹿凛が、教師ねぇ。」

17歳になった凛は、教師を目指して勉強中だそうだ。

あのころとは、もう、違いすぎる。


私は私が死んだ三か月後の私の誕生日にうまれたらしい。ややこしいが、つまり、・花死去。・花の誕生日に華誕生。ということだ。

私は「花」で、「華」でもある。

私は最初からわたしで、精神的には何も変わっていなかった。一週間もすれば、小さな体にも慣れた。

「華」から見た凛は・・・。

荒れていた。「花」が死んでから三日、食べ物を口にしなかったらしい。聞いたとき、思わず「あほか。」とつぶやいてしまった。・・・そのあと不覚にも泣いてしまったのは秘密だ。また、両親にも怒っていた。私に「花」と、漢字は違えども同じ名前をつけたこと。偽札を用意したこと。

でも。一番凛が怒っていたのは、自分に対してだから。

全部わかっているのに、見えているのに、聞いているのに、私は当時一歳。しゃべれなかった。

どうにかして、伝えたい。

凛に冷たく当たられたりした。「花」のとき、絶対に見れなかったような一面も見た。

でも、私は凛にべったりだった。

うん、相当鬱陶しがられました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3歳。しゃべれるようになって初めて私が発した言葉。

「くそなまいきでこまっしゃくれたあのむかつくあほがきのばかりんはどこ?いっちょぶんなぐってくる!」

だった。相当びっくりしたよね、お父さんお母さん。すみません。

でもきっといちばんびっくりしたのは凛で。

「は・・・!?」

まあ、私はそこのところ無視で、説教をかましてやった。だって、凛は・・・、あれから、あたしが死んでから一度も笑ってなくって。泣いて、いなかった。


「なにかんがえてるのよあほりん!あなたののうみそにはこどもをだいじにするとかないわけ!?だいだいこれだけのじかんむいにすごすとかむだいがいのなにものでもないわよ!?もっとぐたいてきたいさくをねるとかこうどうするとかしなさいよ!わたしだってつらかったのはわかるしかなしかったのもしょっくだったのもわかる!わかるけど!わたしはこんなのをのぞんであのときかばったわけじゃない。わたしはぜんぜんうれしくない。あんたのせいであんまりねざめがわるいからもどってきちゃったじゃない!いみわかってる!?あんたぜんぜんせいちょうしてないわねばか!がくりょくあるからってばかにしないでよ!わたしはだいがくせいなみよ!あんたのがまだしたなんだから!というかひとひとりのしをどんだけひきずってんのあほなのばかなのわけわかんない!いまじゅっさいでこどもじゃないならなんなのよ!?おとなぶるんじゃないわよがきが!!くるしかったらなけばいいんでしょなけば!!こどものとっけんつかわないでどうするのあほがき!まわりをたよれってんのよばか!

苦しみを、全部一人で背負おうとするな!」


あのときの、ぽかーんとした凛の顔は、今でも十分笑える。

「は、花・・・?」

「ええそうよ、なにかもんくある!?うじうじうじうじなさけない!」

「華、ちゃん・・・!?一体どうしたんだい・・・。」

「ごめんなさいおとうさま、わたし、あねとどういつじんぶつなの。わたしは華、そして花。このことはないみつに。それより・・・りん!!」

放心状態だった凛は我に返ると、

「ほ、本当に・・・!?」

「うるさいわね!!なんならたしかめる!?」

「え?え、う、うわぁぁぁぁ!」

「華!やめなさい!凛君が死んでしまう!!!」

「ぎゃーーーー!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

みたいな感じで、時が過ぎ・・・。


「華ー!」

凛がやってきた。

「何?」

「何?じゃないよ。せっかくきたんだから、もっと喜んでくれたっていいのに。」

「なんで。」

「恋人同士だから。」

するっとこんなことが言えてしまう凛は相変わらず。

「そこが意味不明なのよ。なんで私とアンタが恋人同士!?非常に不愉快極まりないわ。」

「またまた~。ぼくら、愛を確かめ合った仲じゃないか。」

憤慨して、

「いつどこでだれとだれが!!!!そんなことしたのよ!?」

と抗議するが、

「花の命日あの場所で僕と君がだけど?告白、してくれたよね?」

と鮮やかに切り返される。

あのときのことは、相当後悔している。あれをネタに、なんどからかわれたか分からない。

「うぐっ・・・、あれは、・・・なりゆきよ。」

「へぇ~。華って流されやすい人間だったんだね、知らなかったよ。」

「くっ・・・。」

むかつくむかつくむかつく。

「ふん!馬鹿!もう知らないんだから!」

「はははー。」


まったく、なんでこんなのが好きなのかしらね。


今日も私は、幸せです。


無理やり感は否めませんが、自分的には満足です!

デッドエンドは悲しいので・・・。

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