プロローグ
お久しぶりです。
仕事などが一段落したので活動を再開しようと思います。
今回はオリジナルでいきたいと思います。
しっかり完結させられるように頑張ります。
「全く……なんて数なんだよ!」
少年は悪態をつく。黒い髪、青い瞳のこの少年の名は大神闘牙と言う。闘牙は右手に銀の刀身と持ち手の中央に緑色の宝石が輝く剣を携えている。
「ウィンド・ランス!」
少年がそう唱えると少年の周りに無数の風で形成された槍が出現し、羽を生やした人型の魔物(人類はガーゴイルと呼んでいる)を次々と撃ち抜いていく。かなりの数を倒したのだが元々の数が多いために敵にとっては大した痛手にはなっていないようだ。
「一体一体潰しても埒があかないか……」
この戦いは後に「オーディン大戦」と呼ばれることになる人類と魔物たちとの全面戦争である。
この世界は人間が住む人間界と魔物の住む世界(アルデッドヘイムと呼んでいる)が聖地「オーディン」を挟んで存在している。
この2つの世界はお互いに干渉できないはずであった。
しかし、あるとき堺に魔物たちは人間界へと攻めこんで来たのである。
最初の頃は魔物の数に圧されていた人類であったが「魔術補助装置」の開発に成功し、反撃を開始した。
そして開戦より半年、聖地オーディンで最終決戦が繰り広げられていた。
「闘牙、大丈夫か?」
少年のもとに黒い髪と赤い瞳をした少年がやって来た。
親友であり戦友の神崎大和(かんざき
やまと)である。
「ああ、問題ない。だがこのままじゃこちらが不利だ。
俺は親玉を探そうと思う……悪いがこの辺りを任せていいか?」
闘牙は大和に言う。
「ああ、任せろ!だが無茶はするなよ 。いくらオリジナルと言っても使い手が無敵になれるわけじゃないんだからな」
「わかってるさ。おまえこそ無茶するなよ?」
二人はフッと笑いながら拳を合わせ、闘牙は飛びたった。
これが大和がこの時代で闘牙を見た最後である。
結果をいえば人類は勝利した。誰かが魔物たちのボスであるルシファーを倒したからである。
統率を失った魔物たちはアルデッドヘイムへ引き上げ、オーディン大戦は終結した。
大神闘牙の行方不明という結果を残して……
オーディン大戦より20年。物語が動き出す。