むさしの男ゴコロ
「むっくん、今日はテーマパークの無料チケットありがとうね!」
「いや、父親がもらってきたやつだから。」
今日は、いとこのたくみ、たくみの幼馴染のひろしとゆいこねーちゃんと俺とでテーマパークに来ている。姉貴は推し活で遠征だと、朝早くから家を出ていった。
あれ、いつから、「たくみ」「ひろし」「ゆいこねーちゃん」と呼んでいたんだけっけ?
昔からたくみの家に行くと、ひろしとゆいこねーちゃんがいて、いつも一緒に遊んでいた。姉貴もゆいこねーちゃんも、たくみとひろしを呼び捨てだったから、気づいたらそう呼ぶようになったっけ。じゃあ、ゆいこねーちゃんは、どうしてこう呼ぶようになったのか。今でこそ姉貴と呼んでいるが当時は姉をかなねぇと呼んでいたから、ゆいこねーちゃんをゆいこと呼ぶのはなんか違うように幼心に思ったのだろうか…。よく覚えていない。
「あっ開園アナウンス来た!じゃあ張り切って行くよ。やっぱり最初は、2回転ジェットコースターだね!」
ゆいこねーちゃんの言葉で我にかえる。
2回転ジェットコースターを乗り終えると、俺は爽快感ですっきりしていたが、たくみもひろしも若干フラフラしていた。
「は~めっちゃ楽しかったね!」
興奮気味のゆいこねーちゃんに対し、たくみがツッコむ。
「なんでお前ら、ケロッとしてられるわけ?」
「えっなんでだろう~?楽しさのほうが大きくて」
「俺たちのほうが若いから?」
絶叫系に強い理由なんてわからず、あえてゆいこねーちゃんとの共通点といえば、これしか浮かばなかった。
「若さは関係ないだろ!確かに歳の差はあるけどさ。」
と、たくみがちょっと棘があるように俺に言ってきた。どう答えたらいいのかわからないうちに、結局4人で2回転ジェットコースターにまた乗ることになっていた。
「次は何にする?あっ、ポップコーンとチュロスの匂いがする!まずは腹ごしらえしよっか。」
大学生になってアルバイトをしているたくみとひろしで会計をし、ゆいこは4本のチュロスを、俺はポップコーンをスタッフから受け取った。
たくみとひろしにチュロスを配り終えたゆいこねーちゃんが俺に向かって言う。
「むっくんはポップコーンとチュロス持ったら食べられないね。とりあえずチュロスは持ってるから、ポップコーン食べていていいよ。」
「むさし、ポップコーンちょうだい。」
たくみが言ってきたので、ポップコーンの箱を差し出し、ひろしにも
「どぞ。」
と、箱を向けた。
「チュロスの甘みとポップコーンの塩気がいい塩梅だな。」
ひろしの言葉にゆいこねーちゃんが反応する。
「えーっ。私も一緒に食べたい!むっくん、あーんして!」
えっ?いや、それはちょっと…戸惑って出た言葉が
「ゆいこねーちゃん?」
だった。俺が答えるのと同時にたくみが言う。
「ちょっと待ったぁぁ。」
俺は言葉を続けられず、助けを求めるようにたくみを見ることしかできなかった。
「ゆいこ、隙を見せすぎだ。むさし、次何乗るか決めるぞ!」
と、たくみに連れて行かれた。
その後何を乗ったのかは、ぼんやりとしか覚えていない。思い出そうとすると、ゆいこねーちゃんのあーんを求める顔がチラつくのだった。
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