表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

第5話 いよいよ、プロテスト当日!

 バラエティ番組の尻相撲の対戦で、

 私は天敵であるリーダーの菜七子を、

 ぶちのめして溜飲を下げた。

 だが、番組放送後、SNSでは、


「強いは正義って、なんか嫌だ」

「イジメみたいで、見たくない」

「空手馬鹿の菜七子イジメだな」


 などと、私を批判する書き込みが、

 チラホラと見受けられる。普段、菜七子から、

 散々、嫌味を言われているのは私だと言うのに。


「エゴサなんてするな。そこには幸せは無い」


 マネージャーの徳井さんは、

 私を諭すように言った。続けて、


「プロテストが近いけど、調子はどう?」

 

 と、問う。その問いに私は、


「良好です。大丈夫、問題はありません」


 自信を持って答えた。


「ボクシングに挑戦して良かったと思います」


 このユーチューブの企画で、

 

「タレントとしての話題性を獲得できました」

 

 何より、私は、日々の厳しいトレーニングで、

 自分に自信が持てるようになった。そんな私を、


「だけど無理は、していないか?」


 徳井さんは心配しているようだ。

 確かにアイドルとして、

 デビューしたばかりの私にとっては、


「スケジュールは、忙し過ぎですけど」


 だが、余計なことを考える暇が無かったことは、

 結果的に良かったのではないかと思う。


「心配、御無用です。必ず合格しますから」


 その後もアイドル活動と、

 ボクシングのトレーニングは続き、

 私は十六歳の誕生を迎えた。その日、

 クラスメートの蓮太郎から、ラインが届く。


「誕生日おめでとう」


 短い言葉だが、それを見ていると、

 なぜか、自然と涙が流れた。

 この感情は何?

 私は戸惑いながらも、


「ありがとう」


 と、短く返信する。

 そんなことがあったが、時間は流れ、

 とうとう、プロテストの当日がやって来た。


「おはようございます」


 朝、山下友久さんが車で迎えに来てくれる。

 彼は、ユーチューブの動画を撮影して、

 編集も担当している制作会社のスタッフだ。


「実はね、僕も元プロボクサーでね」

「えっ、本当なんですか、山下さん」

「4戦して、1勝2敗、1引き分け」


 そんな話をしながら、山下さんの運転する車は、

 プロテストの会場に到着する。

 私は、緊張を覚えながらも、

 勇気を出して、一歩を踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ