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エンシャント・バーミリオン ~永劫不滅の転生譚~  作者: 木之鳥 このは
想像尽きることなし 故に人は創造す
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3話 異世界の森でサバイバル!

リアルが忙しい。なんでこんな時に小説書き出したんだよ私は!!

森を進み続けてだいたい2時間ほどたっただろうか。未だに建物などは見当たらない。当然だが、人にも会っていない。


できれば早めに街にでも辿り着きたかったが、この調子じゃ今日中には無理そうだ。


そうなると、水や食料を採ってくる必要が出てくる。長い人生経験のおかげで、サバイバルの知識はある。


しかし、それがこの世界で通用するのかが少し不安だ。いくら異世界とはいえ、物理法則や植生の傾向などは基本同じことが多い。だがそれは絶対ではない。


まるっきり違う仕組みで成り立っていることが稀にあるため、思わぬところでピンチになることがある。突然謎パワーで空に引き寄せられたとか。


とはいえそんなイカれた世界は、転生した段階で、見るからに現実離れした光景が広がっていたりするため、この世界―習得した言語からとって、仮称『クロイア世界』では起こらないと思うし。


もしそうであっても、運が悪かったと諦めて来世に期待する他ないんだが……


しかし、そもそも食べられるものとそうでないものを見分けることが困難なのも問題だ。「あ、ほかの世界でこんなの食べたな」と、迂闊に食べてしまうと、毒だったら普通に死ねる。


だがしかし!俺には毒に対する耐性が備わっているのだ!!


転生するたびに身体が変わるせいで、毒に抗体などできようもないのだが、毒をくらい続けた賜物なのか、俺が何度も毒で死ぬことを憐れんだ神様が与えたものなのかは不明だが、いつの間にか魂に毒耐性が刻まれていた。今も変なキノコを口にして舌がピリピリしている。これは毒だな。実は見れば毒かどうかだいたいわかるんだけど、なんか食べちゃった。お腹空いてて……


毒耐性でごり押して腹を満たすのも悪くはないが、キャパが不明なので緊急時以外は却下だ。死ぬときは一口でも死ぬからな。念入りに調べてから食べるとしよう。


まず、やけに派手な色のものは避ける。目立つ色なのにもかかわらず、虫や動物に食べられることがなく残っているのなら、毒だから避けられている可能性が高い。鳥などに種を運ばせるために目立った色をしていることもあるが。


次に、他の生物が食べたあとがある物を選ぶ。避けられていないならいけるいける。


それを食べたやつが毒に耐性があるだけパターンもあるのが少し怖いところ。


ほら、ユーカリむしゃむしゃ食べてるコアラとか。でも俺もある程度耐性があるからきっといける。そう信じよう。


そして匂いをかいでみて、最後にダメ押しでちょっと舐めてみる。味覚と嗅覚で異常を感じなければ検査合格だ。


あわよくば川とかないかなぁ。やっぱ水があると安心感があるよね。


持ち運べるものがないから、その場でちょっと飲んで終わりなんだが、場所を知れるだけでもメリットだ。


「とりあえずこんなもんかな」


1時間ちょっと探し回り収穫は謎の実と謎の葉。


あんまり持って行っても邪魔なので、その場である程度食べてから、いくつか持っていこう。謎の葉は苦くて食えたものではなかったので、味覚をシャットアウトしてから食べた。謎実が甘くてそこそこ美味しかったので、見つけた時点で謎葉のストックは投げ捨てた。水源はなかったが、実の水分量が多かったのでまぁなんとかなるだろう。


謎実万歳!!


――――――


食料を探し終えた後、5時間ほどまた道をたどって歩いているが、やはりまだ何もない。


そろそろ暗くなってきた。幸い、暗がりでも俺の目は比較的良く見える。五感の扱いが最適かされているからな。ということで構うことなく歩き続ける。


雨も降ってないので、寝床にするため洞窟などを探す必要ない。もしそういったものを探す必要があればこの暗さは面倒だったが。晴れているなら、適当な木の上か、最悪その辺で寝ればいいので寝る場所なんて気にしない。人や動物が近づけば、気配で気付けるしな。


それにしても本当に何もないな。この道は。


恐らく馬車か何かで、ものを運搬するための道だろう。それなりに使われている道のような気がするので、誰かとすれ違ったりするか、あるいはすぐに街につくだろうと考えていたのだが……


反対側に向かった方がよかったかな?という後悔に知らんぷりして黙々と歩き続けていると――


「うわァァァァァァ!!!」


という悲鳴が、どこからともなく聞こえてきた。


それを聞いた俺はというと――


「人の声だ〜!!」


と悲鳴を聞いたとは思えない、期待と安堵の声を漏らしながら、声の方向へ駆け出すのだった。




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