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#魕ガ棲ム島  作者: YasuAki
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第二章 其ノ肆拾玖

「えっと、まさかとは思うけど、本物じゃないですよね?」


 円香の横に立ったまま恐る恐る聞いてみる。


——きっとそうだ。


 円香は実はサバゲーが好きで、エアガンとか迷彩服とか沢山持っているに違いない。


「ん? ああ、これか。本物だよ」


「ですよねー……って、本物!」


 驚きすぎて後ずさった。


「そんなに驚くことかい?」


「驚くでしょ! 普通の人は本物の銃なんて持ってないよ!」


「でも、佐々木だって昼間ぶっぱなしてたろ」


「いや、あれは——」


 と、そこで恭平は考え込んだ。


——確かに。なんで叔父さんは銃を持っていたんだ?


 佐々木は民俗学の研究者で、猟師ではない。

 もしくは、研究で必要だったのだろうか。

 たとえ必要だったとしても、撃つ機会はないだろう。

 それに素人が撃っても簡単に当たらないと聞く。

 ではなぜ基子に負傷を負わせることが出来たのだろうか。


「恭平?」


「あ、う、うん。大丈夫です」


 慌てて暴走する思考を止めた。

 今、それを考えても仕方がない。

 先にすべきことが他にある。


「それじゃあ、作戦の確認だ。嬢ちゃんはどうやら御富士様の奥にある祠で休んでるみたいだね」


 円香はバッグの中から大きな紙を取り出すと、バッグを床にどかしそれをテーブルに広げた。

 島の全体図。


「ここだね」


 円香は内輪山の丸山にある『御不死様』と書かれたすぐ上を指した。


「そんなところに祠が——って、なんで基子の居場所がわかるんですか!?」


 円香はちらりとこちらを見て、さらりと言う。


「日中に使い魔を外に出しといたからね。にゃんこネットワーク経由で探してもらったのさ」


「にゃんこネットワーク?」

「そう。ジジが主導になって島の猫達に探してもらってたのさ。猫は機動力もあるし人の入れないところもすいすい行けるからね。そしてなにより、にゃんこは可愛い!」


 円香は胸を逸らし得意げに言った。


「えっと、そうなんですね……」


「なんだい? 今度は驚かないんだね」


 不思議そうに恭平を見つめている。


「いや、もちろんすごいとは思うけど、にゃんこって——」


 女性にしては男勝りな彼女の口から、にゃんこという単語が出たことがどこか不釣り合いで違和感しかなかった。

 つい苦笑いになる。


「にゃんこは可愛いだろうが!」


「そ、そうだけど——」


 円香に気圧され思わずたじろぐ。

 そして円香はふうと肩で大きく息をすると、再びバッグを漁り始めた。

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